正しい意味を理解し、適切に漢字が使えているのか、疑問を感じることが増えていませんか? 適当に漢字を使ってしまい、気付かないところで「恥をかいている」ということがあるかもしれませんね。
Google先生やデジタルデバイスの出現により、便利になった反面、情報の中身については十分な吟味が必要な時代になっております。あなたの“漢字の知識”は確かなものでしょうか? もう一度、確認しておいても良いかもしれません。
「脳トレ漢字」第59回目は、「脆弱」をご紹介します。IT系の仕事に携わる方なら「脆弱性」という言葉は頻繁に使っているかもしれません。
脳トレ漢字の動画を見ながら“読んで書く”ことで、記憶力を鍛えながら、漢字への造詣を深めてみてください。
「脆弱」はなんと読む?
「脆弱」という漢字、読み方に心当たりはありますか? 「きじゃく」と読んでしまいそうですが……
正解は……
「ぜいじゃく」です。
『小学館デジタル大辞泉』では、「もろくて弱いこと。また、そのさま」と説明されています。「脆弱な地盤」「脆弱な身体」というように、身体、組織、モノなど幅広い対象に用いられます。単に力が弱いということではなく、本来堅くあるべきものの「脆さ」や「弱点」を指摘する際に使います。
ちなみに、コンピューター関係の専門用語である「脆弱性」は、「コンピューターネットワークにおける安全上の欠陥」を指します。
「脆弱」の漢字の由来とは?
「脆弱」を構成する漢字を一文字ずつ見ていきましょう。「脆」は「くだけやすい、弱々しいこと」を、「弱」は「劣る、または、もろいこと」を意味しています。似た意味の字を重ねてできた熟語だといえます。
「脆」に「危険」の「危」という字が含まれているため、「きじゃく」と読んでしまう方がいるかもしれません。「脆」には「ぜい、もろ(い)」という読み方がありますが、「き」とは読まないので注意が必要です。
「脆弱」の関連語 「脆味」とはどういう意味?
「脆弱」の意味を確認したところで、同じ「脆」の字を使った「脆味」という言葉をご紹介します。
「脆味」(ぜいみ)とは、「とろけるように柔らかい美味しい食べ物」という意味です。「極めて贅沢な素晴らしい食事のこと」を指す四字熟語「香美脆味」(こうびぜいみ)という形で用いられます。
「脆」は、「脆弱」にみられるような「もろい、よわい」という意味の他に、「やわらかい」という意味もあります。「脆味」は後者の意味合いが強いのです。
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いかがでしたか? 今回の「脆弱」のご紹介は皆さまの漢字知識を広げるのに少しはお役に立てたでしょうか? 漢字そのものの意味を押さえて、誤読を防ぎましょう。
来週もお楽しみに。
文/豊田莉子(京都メディアライン)
アニメーション/鈴木菜々絵(京都メディアライン)
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