ゴッホの名作『ファン・ゴッホの椅子』の原寸大複製絵画
複製画といえば、熟練の職人の緻密な筆使いから生まれるリアルな「絵画」が思い浮かぶ。一方、最先端のデジタル技術と高度な印刷手法を駆使して、極限まで本物に近づけた複製画が生まれている。
美術印刷で定評のあるサンエムカラー(京都市)では、「カサネグラフィカ」という独自の技術を使い、これまでに天野山金剛寺(大阪府)が所蔵する国宝『日月四季山水図』など、多くの文化財や美術品の複製を手がけてきた。
同社の最新印刷技術を使い、ゴッホの名作『ファン・ゴッホの椅子』の原寸大複製絵画を製作した。ゴッホの作品は大胆な色彩と強いタッチの筆使いが印象的だが、そんな質感が見事に再現された複製画に仕上がった。
「カサネグラフィカ」では、作品の画像データから絵の具の盛り上がりや筆致を推測し、三次元情報を作成する。その情報からインクを積層し、絵の具の盛り上がりや、原画の持つ質感まで再現する。創業者の松井勝美会長が、印刷職人として長年培ってきた手業をデジタル技術に融合させることで、作品の持つ空気感まで伝わる複製画を完成させた。
耐光性もあり「一般家庭の屋内であれば退色・劣化はせず100年は持つ」(松井さん)という。
名作にふさわしい額縁を製作
名画には、ふさわしい額縁が必要だ。ことに西洋絵画において額縁は、作品とは切り離せない重要な存在。今回の複製絵画では、この道50年の額縁職人、藤ノ井邦光さんに製作を依頼、名作との見事な合体を実現した。
西洋絵画にも詳しい藤ノ井さんは、美術館に展示されている原画写真を元に、ゴッホが生きた19世紀の額の様式を研究。材に金箔を貼った上で「いぶし」という加工を施すことにより、年月が経ったような質感に仕上げた。
最高の複製技術と経験豊かな額縁職人の合作は、わが家を美術館の一室に変えてしまう。職人技術の粋を集めた世界限定10部の逸品を、ご自宅に迎えていただきたい。
【今日の逸品】
ロンドン ナショナル・ギャラリー 匠仕上げの額装原寸大複製絵画
『大人の逸品』オリジナル
350,000円(消費税込み)