最近、パソコンやスマートフォンの普及により、自ら字を書く機会はめっきり減少してきました。その影響からか、「読めるけれども、いざ書こうとすると書けない漢字」が増えていませんか? 以前はすらすらと書けていたのに、と書く力が衰えたと実感することもありますよね。
動画を見ながら漢字の読み書きをすることで、脳のトレーニングとなります。また、この記事を通じて、読むこと・書くこと・漢字の意味を深く知り、漢字の能力を高く保つことにお役立てください。
「脳トレ漢字」第23回目は、「燭魚」をご紹介します。冬になると美味しいあの魚です。
脳トレ漢字の動画を見ながら“読んで書く”ことで、記憶力を鍛えながら、漢字への造詣を深めてみてください。
■「燭魚」はなんと読む?
「燭魚」という漢字、読み方に心当たりはありますか? 主に日本海側で食用にされ、煮付けが美味しいあの魚です……
正解は……
「はたはた」です。
ハタハタは、スズキ目ハタハタ科に属する魚で、秋田沿岸などでよくとれる海水魚です。11~12月のころ、産卵のため沿岸に群遊するためその時期が漁期に当たります。煮魚や焼き魚に調理されるほか、干物・塩蔵・味噌漬けなどにもされ、「しょっつる」と呼ばれる魚醤にも加工されます。ちなみに、「ブリコ」とはこのハタハタの魚卵のことです。
■「燭魚」の漢字の由来とは?
「燭魚」を構成する漢字を詳しく見ていきましょう。「燭」は「ともしび」のことを指します。ハタハタの漢字表記は、「燭魚」の他にも「鱩」・「雷魚」などがあります。「雷」がつくのは、ハタハタが冬の雷が鳴る季節に獲れることに由来しています。そのためハタハタは別名「カミナリウオ」です。雷が鳴ることを「はたたく」と言うため「ハタハタ」と呼ばれるようになったとも言われます。そのため、「燭魚」の「燭」はこの雷の光と関係していると考えられます。
■雷の神様? 「ハタハタ」のもう一つの漢字「鰰」
もう一つのハタハタの表記として「鰰」があります。これは魚へんに「神」が組み合わされてできた漢字です。なぜ神なのでしょうか? 実は、雷の神を表す言葉に「霹靂神」(はただがみ)というものがあります。雷鳴響く季節に産卵のため岸に寄る「ハタハタ」をこの雷の神様になぞらえて、「鰰」という表記がされているのです。また「霹靂神」の読み方が、ハタハタの名前の由来とも考えられています。
***
いかがでしたか? 今回の「燭魚」のご紹介は皆さまの漢字知識を広げるのに少しはお役に立てたでしょうか? ハタハタは今が旬の魚です。秋の終わりと冬の訪れを知らせてくれますね。
来週もお楽しみに。
文/豊田莉子(京都メディアライン)
アニメーション/貝阿彌俊彦(京都メディアライン)
HP:http://kyotomedialine.com
Facebook:https://www.facebook.com/kyotomedialine/