「あれ? なんて漢字だったっけ」と悩むことが多くなっていませんか? 少しだけ思い出す努力をしてみるものの、結局は「まあ、いいか」と諦めることもあったりして、記憶の衰えを実感することもあるのではないでしょうか? しかし、思い出すことが記憶力の鍛錬につながると言われています。動画を見ながら漢字の読み書きをすることで、脳のトレーニングとなります。また、この記事を通じて、読むこと・書くこと・漢字の意味を深く知り、漢字の能力を高く保つことにお役立てください。
「脳トレ漢字」第25回目は、「注連」をご紹介します。新年に玄関に飾る“アレ”のことです。脳トレ漢字の動画を見ながら“読んで書く”ことで、記憶力を鍛えながら、漢字への造詣を深めてみてください。
■「注連」はなんと読む?
「注連」という漢字、読み方に心当たりはありますか? 「注連縄」と、「縄」を付けると分かりやすいかもしれません……
正解は……
「しめ」です。
『小学館デジタル大辞泉』では、「注連縄(しめなわ)の略。領有の場所であることを示したり、出入りを禁止したりするための指標」と説明されています。「注連縄」とは、そもそも神を祀る神聖な場所を他の場所と区別するために張る縄のことです。新年には神社に限らず、各家庭の家の入口にも張られるものですから、馴染みがありますね。
■「注連」の漢字の由来とは?
「注連」を構成する漢字を一文字ずつ見ていきましょう。「注連」における「注」は「くっつける、集めること」を、そして「連」は「つなげること」を意味しています。
「注連」という言葉は、もともと中国にあった「注連」(ちゅうれん)という風習から来ています。死んだ人が再び家に入ってくることがないよう、家の入口に水で清めた縄を連ねて張っておくという風習です。元々日本にもあったしめ縄と、中国のこの習慣の縄が似ていたため、日本の「しめ縄」を「注連縄」という文字で示すことが定着しました。
■「標縄」も「七五三縄」も「〆縄」も、「しめ縄」! ?
「注連」以外にも、「しめ縄」の表記はあと3つあります。
「標縄」は、万葉集に書かれた「しめ縄」の表記です。この場合の「標」は、場所への立ち入り禁止を示す印という意味を持ちます。
「七五三縄」も「しめなわ」と読みますよ。由来は諸説ありますが、横縄に垂れ下がる藁の束が右から7本、5本、3本と垂れ下がっているからだと考えられています。
「〆縄」の「〆」という字には「占める」「閉める」という意味合いがあることから、この字があてがわれました。
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いかがでしたか? 今回の「注連」のご紹介は、皆さまの漢字知識を広げるのに少しはお役に立てたでしょうか? 毎年何気なく飾っている物でも、その言葉の意味や由来は意外と知らないものですよね。意味を理解すれば、毎年の行事もより豊かなものになるはずです。
来週もお楽しみに。
文/豊田莉子(京都メディアライン)
アニメーション/貝阿彌俊彦(京都メディアライン)
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