
物価高は続くのに給料は思ったほど上がらない。さらに税負担が年々増やされるなか、自分たちの生活を守るためにできることはあるのでしょうか。
公認会計士で税理士の永江将典さんが監修した『税金をできるだけゼロに近づける本』(宝島社)では、ムダな税金を払わず勝ち組を目指す方法がわかりやすく紹介されています。目指すは税金ゼロ! 使える節約技をすべて使ってムダな税金をゼロに近づけましょう。
今回は、扶養控除について詳しくご紹介します。子どもだけじゃなく、介護している親がいれば控除は可能です。
監修/永江将典
収入要件をクリアすれば別居でもOK
親や祖父母を扶養に入れられる
扶養控除は、配偶者以外の親族を自分の収入で養っている人が使える控除。独身や子どもがいない人は使えないと思いがちですが、扶養の対象は親でもOK。
要件は、納税者と生計同一で親の合計所得が48万円未満(65歳以上で年金収入のみなら158万円以下)であること。別居の場合は、定期的に仕送りをしていれば扶養していると認められます。
●扶養控除の種類と控除額

シングル会社員も注目! 親や祖父母を扶養に入れる要件は?
・親、祖父母の年間の合計所得が48万円以下
※収入が年金のみなら65歳未満は108万円以下、65歳以上は158万円以下
※給与のみなら103万円以下
・日常的に一緒に暮らしていること(入院による別居は1年以上の長期でもOK)
・住民票が同一でも、老人ホーム等で生活している場合は別居扱いとなる
・生活費や療養費等を常に送金していること
・遺族年金はいくらもらっていてもノーカウント
同居の場合のポイント
・日常的に一緒に暮らしていること(入院による別居は1年以上の長期でもOK)
・住民票が同一でも、老人ホームなどで生活している場合は別居扱いとなる
別居の場合のポイント
・生活費や療養費等を常に送金していること
認知症や要介護の親を扶養している人は障害者控除を上乗せできる
障害者控除は、障害者本人の収入や、障害者を扶養する配偶者や親族の収入から差し引くことができます。対象となる障害者の範囲は、障害者手帳を持っている人だけでなく、65歳以上で寝たきりや認知症で要介護認定を受けた人も含まれます。
要介護認定を受けた親や祖父母などを扶養している人は、扶養控除に加えて障害者控除も使える可能性があります。
●障害者控除の種類と控除額

扶養する配偶者の年齢が70歳以上だと配偶者控除が増額する
扶養する配偶者の年齢が70歳以上になると、控除が増え、最大で48万円に。年金収入でも所得税が源泉徴収されている人は、「扶養親族等申告書」を日本年金機構に提出すること!
CHECK!
・その年の12月31日時点の年齢が70歳以上
・事実婚は不可
●老人控除対象配偶者の配偶者控除金額

扶養控除を申請するには年末調整や確定申告で書類を書いて出すだけ!
扶養している家族や親族がいても、自動的に扶養控除は適用されません。会社員の場合は、会社に「扶養親族等申告書」を提出してください。年末調整で扶養控除が適用され所得税が戻り、翌年度の住民税が安くなります。
自営業・フリーランスの人は、確定申告で扶養控除を申告しましょう。会社員で会社に書類を出し忘れた人も、自分で確定申告をすれば扶養控除が適用されます。あきらめてはいけませんよ!
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税金をできるだけゼロに近づける本
監修/永江将典
宝島社 1,210円(税込)
永江将典
公認会計士・税理士。4つの会社を経営する複業オーナー経営者。監査法人トーマツで上場企業の監査や株式公開支援業務を担当。トヨタ自動車に転職し経理部に勤めるも、やりがいを見つけられず転職。その後起業し、収入が激減するも、多数の億万長者からお金を稼ぐ極意を学び、YouTubeで1億円を稼ぎ、各種事業や不動産業を開始。『トヨタを辞めて時給15円に堕ち、シンガポールで覚醒し、40歳でFIREした話。』(サンライズパブリッシング)、『税金でこれ以上損をしない方法』(翔泳社)などの著書で、お金を稼ぐことや節税の大切さを訴えている。
