最近、書くとことが面倒臭いなあと思うこと、多くなっていませんか? 例えば、アンケートの「その他」欄とか、なんか億劫になってしまって、ついつい“なし”と書いてしまう事ってありませんでしょうか。こうした事を、よくよく考え自己分析いたしますと、決して書くことが面倒なのではなく、漢字がすらすら書けなくなった事へのジレンマと言いますか、自分への情けなさを実感してしまうからではないのかと思ったりもするのですが…。
そんな、情けない思いが少しでも減るように「脳トレ漢字」をお役立ていただくと大変嬉しく存じます。
「脳トレ漢字」第4回目は、読み方に迷う誤読の多い漢字「漸次」をご紹介します。
脳トレ漢字の動画を見ながら“読んで書く”ことで、記憶力を鍛えながら、漢字への造詣を深めてみてください。
■「漸次」は、なんと読む?
さて、この改めて聞かれるとどっちの読み方だっけと迷ってしまう「漸次」。“ぜんじ”と読むか“ざんじ”と読むか… 、それが問題です。
「痛みは漸次緩和している」
「リモートワークが漸次拡大している」
などというように使われますが、
正解は…
「ぜんじ」です。
「漸」の漢字を構成している「斬」の音読みが「ざん」であることから、「ざんじ」と誤読されやすい熟語になっています。
「ざんじ」と読むのは、「暫時」です。「漸次」と「暫時」は意味も混同されやすいですので、注意が必要となります。続いての項目にて、それぞれの意味について解説していきましょう。
■漸次の意味とは?
まずは、「漸次」の意味を解説していきましょう。
1:[副]しだいに。だんだん。「老齢人口が漸次増加する」
(出典:デジタル大辞泉(小学館))
混同されやすい「暫時」の意味もあわせて解説いたします。
1:少しの間。しばらく。副詞的にも用いる。「暫時の暇(いとま)をいただきたい」「暫時休憩する」
(出典:デジタル大辞泉(小学館))
それぞれの漢字の成り立ちを知ると、二つの漢字を混同することはなくなることでしょう。続いての項目では、「漸」と「暫」の漢字の成り立ちについてご説明をいたします。
■「漸」と「暫」の漢字の成り立ち
「漸」は「さんずい」と「斬」から成り立っています。「斬」は車+斤(おの)の車を斤で切る様子を表す会意文字です。この「斬」に「さんずい」を組み合わせて、斤を食いこませた車の割れ目にだんだんと水が染み込む様子を表しています。
一方、「暫」は、「斬」と「日」から成り立っていますね。「日」は太陽を表すことから、時間を切り取ること、つまり“少しの間”を意味しています。
それぞれの漢字の成り立ちを思い浮かべると、意味も自然と頭に入ってくるのではないでしょうか。
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いかがでしたか? 今回の「漸次」と「暫時」のご紹介は皆様の漢字知識を広げるのに少しはお役に立てたでしょうか?
“暫く”すると、“漸次”忘れがちな熟語でもありますので、そんな時はこの記事を振り返ってみてくださいね。来週をお楽しみに。
文/京都メディアライン
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