写真・文/矢崎海里
9月9日は「重陽(ちょうよう)の節句」です。
重陽の節句は、桃の節句や端午の節句と同じ五節句のひとつです。
別名「菊の節句」と呼ばれ、菊酒を飲み交わしたり、菊の花を楽しむなど、菊が注目されている節句ですが、実は茄子も行事食とされています。
そこで今回は、茄子を使った減塩レシピを2つご紹介します。
重陽の節句とは?
改めて、重陽の節句について簡単にご紹介します。
昔、奇数は縁起のよい陽数と言われ、その数字が重なる日をおめでたい日と考えられていました。
なかでも一番大きい陽数「9」が重なる日は「重陽の節句」といわれ、無病息災を祈り、菊や茄子、栗ご飯などが食卓に並びます。
食用菊は、おひたしや天ぷらなどでおいしく食べることができますが、少し手に入りにくいのが難点です。
そこで今回は、旬の茄子を使った重陽の節句に食べたいレシピをご紹介します。
同じく重陽の節句で親しまれてきた茄子は、「9のつく日に茄子を食べると中風を病まぬ」と言われ、かぜを引きにくくなるなどの言い伝えがあります。
普段から食卓に登場する回数の多い野菜、という方も多いかと思いますが、重陽の節句の風習にならい、茄子を使ったメニューを取り入れてみてはいかがでしょうか。
ぶりと茄子の甘酢あん
【材料】(1人前)
ぶり 一切れ
茄子 1本
人参 1/4本
ピーマン 1個
★ケチャップ 小さじ2
★酢 小さじ1
★みりん 小さじ1
★醤油 小さじ1/2
片栗粉 大さじ1
サラダ油 大さじ2
【作り方】
1.茄子・人参・ピーマンは乱切りにする。
2.ぶりは食べやすい大きさに切り、片栗粉をまぶす。
3.★の調味料を合わせておく。
4.フライパンに油を熱し、ぶり、野菜を揚げ焼きにする。
5.火が通ったら一度取り出しフライパンの油を拭き取り、3の調味料を入れる。
6.弱火で加熱し、ふつふつと沸いたら具材を戻し、絡めたら完成。
ケチャップの甘みや酢の酸味を生かした甘酢あんを絡めた一品です。
具材はおうちにある野菜や、さば、鶏肉などアレンジが効きます。
一度具材を多めの油で揚げ焼きにすることで、油のコクも増し、食感も良くなります。
ぶりには片栗粉をまぶすことで、あんが絡みやすく、ほどよいとろみも付き食べやすくなりますよ。
食塩相当量:1.5g
茄子と豚バラの重ね蒸し
【材料】(1人前)
茄子 1本
豚バラ肉 80g
万能ねぎ 少々
顆粒和風だし 小さじ1
酒 大さじ1
水 大さじ1
【作り方】
1.茄子は5mm程度の輪切りに、豚肉は茄子の幅に合わせて切る。万能ねぎは小口切りにする。
2.フライパンに茄子と豚肉を交互に並べる。
3.顆粒和風だし・酒・水を加える。
4.ふたをし、中火で加熱する。沸いたら弱火にし、5分ほど蒸す。
5.万能ねぎを散らし、完成。
顆粒だしで蒸すだけのレシピは、耐熱容器を使えば電子レンジ調理も可能です。
豚バラの旨味とだしの風味でほっとする味付けに。
ほかの野菜も薄切りにし色鮮やかにするのもおすすめです。
食塩相当量:1.3g
* * *
まだまだ暑さは続いていますが、秋の行事をお祝いしましょう。
文/矢崎海里(やざき・かいり)
管理栄養士やフードスペシャリストなどの資格を生かし、企業で働く傍ら、Webメディアでも活動。おいしく食べて健康になれるごはんを研究中。