写真・文/矢崎海里
伝統的な日本料理、寿司に欠かせない海苔。
一年中手に入る焼き海苔ですが、この時期に流通するものは「新海苔」と呼ばれ、特においしいと言われています。
寿司だけではなく、おにぎりやふりかけ、味付け海苔など日本人の食卓との関わりが深い海苔は、風味もよく、旨味が強いため減塩の強い味方。
今回は、ご家庭で簡単に作れる海苔の佃煮と、旬の海苔を使った減塩レシピをご紹介します。
海苔の佃煮
【材料】(作りやすい分量)
焼き海苔 全形2枚
だし汁 100cc
★醤油 大さじ1/2
★砂糖 大さじ1/2
★みりん 小さじ2
★酒 小さじ2
※上記分量でできあがり約50g
【作り方】
1.焼き海苔は小さくちぎり、分量のだし汁とともに鍋に入れてふやかしておく。
2.★の調味料を合わせておく。
3.1を火にかけ、水分が飛ぶまで中火で煮る。
4.水分がなくなったら2の調味料を加え、さらに煮詰める。
5.水分が飛び、好みのかたさになったら火を止める。あら熱を取り、清潔な容器に入れて保存する。冷蔵庫で1か月ほど保存ができます。
市販の瓶詰めに比べ日持ちはしませんが、簡単に作ることができ、調味料の使用も抑えることができます。
ごま油を回しかけたり、いりごまを振るのも風味付けになりおすすめです。
新海苔で作るのはもちろん、しけってしまった海苔の再利用にもなります。
海苔は、昆布に含まれる「グルタミン酸」、鰹節に含まれる「イノシン酸」、干し椎茸に含まれる「グアニル酸」という3つの旨味成分が含まれる食品です。
磯の風味とともに旨味も強く、まさに減塩の強い味方。
また、一手間かけてさっと炙れば、さらに香ばしく旨味を強く感じることができます。
焼き海苔だけではなく、青のり、あおさ、生海苔などもご家庭のレシピに取り入れてみて下さいね。
食塩相当量:1食分0.3g(市販の商品と比較し、約60%減塩)
ごはんにのせたり、納豆と混ぜたりと、冷蔵庫に常備して色々な活用ができる海苔の佃煮。
ここからは上記の佃煮を使ったアレンジレシピをご紹介します。
海苔としらすの餃子の皮ピザ
【材料】(1人前)
餃子の皮 6枚
海苔の佃煮 15g
しらす 大さじ1
長葱 5cm
青ねぎ 少々
ごま油 小さじ1
【作り方】
1.長葱は斜め切りにし、さっと水にさらす。
2.青ねぎは小口切りにする。
3.フライパンに餃子の皮を並べる。
4.海苔の佃煮を広げる。
5.しらす、長葱を散らし、火を付け中火で焼く。
6.餃子の皮がパリッとしたらごま油を回しかけ、火を止める。うつわに移し、青ねぎを散らしたら完成。
余った餃子の皮などは、上に好きな具材をのせるとパリパリ食感が楽しいおつまみピザになります。
海苔の風味としらすの塩気がちょうどよく、軽いおつまみとしてぴったりです。
ほかにも鮭や鯖などのフレークや、明太子など魚介類との相性も抜群です。
食塩相当量:0.8g
ここからは、旬の海苔を使ったおかずレシピをご紹介します。
ささみの海苔のりチーズパン粉焼き
【材料】(1人前)
ささみ 2本
焼き海苔 2/3枚
プロセスチーズ 2個(20g)
マヨネーズ 小さじ1
パン粉 大さじ1
青のり 少々
サラダ油 小さじ1
【作り方】
1.パン粉と青のりを混ぜておく。
2.ささみは開き、麺棒などで厚さを均一にする。
3.ささみの上に、焼き海苔、棒状に切ったチーズを乗せる。
4.端からきつめに巻き、表面にマヨネーズを塗る。
5.1のパン粉をまんべんなくまぶす。
6.フライパンに油を熱し、弱火でじっくり焼いていく。火が強いとパン粉が焦げて中が生焼けになってしまうため、注意して下さい。
7.中まで火が通ったら、食べやすい大きさに切って完成。
焼き海苔と青のり、ダブルの海苔を使ったパン粉焼きです。
パン粉に青のりを混ぜることで、より風味よく仕上げています。
マヨネーズを全面に塗ることでパン粉を付けやすく、面倒なパン粉漬けの手間も軽減。
また、チーズとともにたんぱくなささみにコクをプラスし、下味としての役割も果たしています。
食塩相当量:0.8g
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海苔は産地により風味や味わいもさまざま。
食べ比べをして、好みの産地を見つけるのも楽しみのひとつになりますよ。
文/矢崎海里(やざき・かいり)
管理栄養士やフードスペシャリストなどの資格を生かし、企業で働く傍ら、Webメディアでも活動。おいしく食べて健康になれるごはんを研究中。