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健康

「白い主食」は老化の一因になる|『人生100年、長すぎるけどどうせなら健康に生きたい。 病気にならない100の方法』

文/印南敦史

健康で幸せに歳を重ねるために|『人生100年、長すぎるけどどうせなら健康に生きたい。 病気にならない100の方法』

おそらく『LIFE SHIFT』(リンダ・グラットン、アンドリュー・スコット 著、池村千秋 訳、東洋経済新報社)の大ヒットがきっかけだったのではないかと思うが、「人生100年時代」という考え方もいまやすっかり浸透した。

『人生100年、長すぎるけどどうせなら健康に生きたい。 病気にならない100の方法』(藤田 紘一郎著、光文社新書)の著者が本書の冒頭で取り上げているのも、まさにこの問題だ。

 今、日本人の平均寿命ののびは著しく、多くが一〇〇歳まで生きると予測されています。
米国カリフォルニア大学とドイツのマックス・プランク研究所の人口学者たちが、「二〇〇七年生まれの寿命」を国別に比較した表があります。それによると、世界でダントツの平均寿命ののびを誇る日本では、二〇〇七年生まれの子の約五〇パーセントが一〇七歳まで生きるだろうとみられています。
つまり「人生一〇〇年時代」はもう間もなくスタンダードになるということです。(本書「はじめに」より引用)

79歳になり、後期高齢者と呼ばれる世代に入って、「この先も健康に自分らしくすごせるか」ということにいちばん関心があるという著者にとっても、他人事ではない問題だということだ。

「人生100年時代」の到来をうれしく感じるか否かについては、いろいろな考え方があるだろう。しかし、いずれにしても死なないのであれば生きていくしかなく、せっかく生きていくなら病気になってつらい思いなどしたくはない。自立して好きなことをできる程度には、健康でありたいと感じて当然であるわけだ。

そのため著者はここで、「私たちが健康で幸せに歳を重ねるためには、いま、何が必要なのか」に焦点を当てている。「食事編」と「生活習慣編」に分け、100項目を紹介しているのである。

今回は「食事編」の冒頭に登場する「白い主食を減らす」という項目をクローズアップしてみたい。

「あたたかいご飯にふりかけさえあれば、何杯でもいける」という白ご飯派は多い。同じく、「パンが大好き」「ラーメンがなければ生きていけない」という声も少なくない。

ところが、それら「白い主食」は老化の一因になるのだと著者は指摘しているのである。

いま、老化の原因として、もっとも恐れられているのは「糖化」なのだという。糖化とは、たんぱく質に糖質が結びつき、たんぱく質が劣化する反応のこと。

ご存知のとおり、私たちの身体はほとんどがたんぱく質でできている。身体のたんぱく質に糖質が結びつくと、体内の熱を使って反応が進み、「シッフ塩基」という物質ができる。著者いわく、ここが糖化のスタート地点だ。

このスタートしたばかりの糖化物質に、さらに糖が結びつくと「アマドリ化合物」というたんぱく質に変質する。ただしこのアマドリ化合物までなら、糖の濃度(血糖値)を下げれば、もとの正常なたんぱく質に戻すことが可能。

しかし、ある程度の期間、アマドリ化合物が高濃度の糖にさらされてしまうと、身体にとって非常に困ったことが起こるのだそうだ。本来のたんぱく質とは似ても似つかない、「糖とたんぱく質の化合物」がつくられてしまうというのである。「AGE(終末糖化産物)」がそれ。

 AGEは、身体の老化を早める最悪の元凶として、今、医学会が注目する悪玉物質です。
一度生まれたAGEは、決してもとのきれいなたんぱく質に戻りません。そして、身体のいたるところで老化を引き起こし、ボロボロにしていくのです。
「最近、○○の調子が悪くて。老化かしら」
と、あなたが感じている「○○」の部分。それはもしかしたらAGEの蓄積によって老化現象が進んでいる表れかもしれないのです。(本書19ページより引用)

では、糖化をコントロールするためには、具体的にどうすればいいのだろう? この問いに対する答えは、糖質を大量に含むものを、できるだけ食べないこと。つまり、これが先に触れた「白い主食」の話題につながっていくわけだ。

 糖質は、主食となる穀類に多く含まれます。とくに糖化を進めやすいのは、食物繊維をきれいにそぎ落とした白い主食です。白米、パン、麺類などです。(本書19ページより引用)

このような白い主食は、腸での消化吸収が早く、血糖値を急激に高めるのだという。そのため食事のたびに白い主食を大量にとってしまうと、糖化が急速に進んでしまい、老化の原因であるAGEを増やすことになりかねないということである。

子どものころには、「元気な子はご飯をたくさん食べる」というような考え方が一般的だったのではないだろうか。しかし年齢を重ねたいまだからこそ、より現実的に考えてみる必要があるのかもしれない。

そういう意味でも、こうしたトピックスが満載された本書を参考にしたいところだ。

『人生100年、長すぎるけどどうせなら健康に生きたい。 病気にならない100の方法』

藤田 紘一郎著

光文社新書

定価(本体760円+税)

2019年5月発売

人生100年、長すぎるけどどうせなら健康に生きたい。 病気にならない100の方法

文/印南敦史
作家、書評家、編集者。株式会社アンビエンス代表取締役。1962年東京生まれ。音楽雑誌の編集長を経て独立。複数のウェブ媒体で書評欄を担当。著書に『遅読家のための読書術』(ダイヤモンド社)、『プロ書評家が教える 伝わる文章を書く技術』(KADOKAWA)、『世界一やさしい読書習慣定着メソッド』(大和書房)、『人と会っても疲れない コミュ障のための聴き方・話し方』などがある。新刊は『読んでも読んでも忘れてしまう人のための読書術』(星海社新書)。

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