
なんだか最近、モヤモヤ、クヨクヨ、イライラすることが多いと感じる人におすすめなのが
『マンガ ネコでもできる! 認知行動療法 ニャンだかツラい…がニャンだかタノシい?! に変わる本』(SBクリエイティブ)。認知行動療法の第一人者、精神科医・大野裕先生が解説。さらに、人気漫画家のねこまきさんの漫画でわかりやすく紹介する一冊です。
誰もが持っているネガティブな感情、生きづらさを感じている人も、考え方のクセを知って向き合い方を知れば、こころがスーッとラクになり前向きになれるはず。今回は、「認知の意識」についてご紹介します。
著/大野裕、マンガ/ねこまき(ミューズワーク)
こころを整える4ステップってニャに?
認知行動療法は、極端な考えや行動を修正することによって、こころを整え、気もちを軽くするアプローチです。認知行動療法では、自動思考と呼ばれる、悩んだときに頭に浮かんでいる、極端に悲観的な考えに注目します。落ち込みや不安のためにつらくなっているときは、極端にネガティブな考えから抜け出せなくなっていることが多いからです。すでに説明したように、わたしたちは、最初は悲観的に考えますが、情報を集めることで現実的で前向きな考えができるようになります。「短期的にはネガティブ」でも、「長期的にはポジティブ」に考えられるのが、わたしたちのこころの力、レジリエンス(困難な状況やストレス、失敗などに直面しても、自己回復力や適応力を持ち、精神的な弾力性を維持する能力のこと)です。
こうしたこころの力を生かすためには、いつも以上にストレスを感じたとき、ちょっと立ち止まっていままで意識してこなかった「速い考え=自動思考」を振り返ってみることが役に立ちます。そのプロセスを4つのステップに分けて説明します。
こころを整える4つのステップ
1「気づく」:気もちやからだの変調に気づきましょう
気もちやからだの変調はアラームです。そのアラームに気づいて適切に反応することが効果的なストレス対処の第一歩です。
2「ひと息入れる」:ひと息入れて自分をとり戻しましょう
ストレスを感じたときに、深呼吸をしてひと息入れてみましょう。からだを動かすのも1つです。このようにして自分をとり戻すことができれば、上手にストレスに対処できるようになります。
3「考えを整理する」:思い込みから自由になりましょう
ストレスを強く感じているとき頭に浮かんでいる考えに注目し、思い込みの世界から現実の世界に立ち返るようにします。自分が考えていることがどの程度現実に沿ったものかもう一度検討してみると、現実の問題に対処する方策が見えてきます。
4「期待する現実に近づく」:こうなりたいという現実に近づくために工夫しましょう
やりがいのあることや楽しめることを日常生活に組み入れて気力を高め、人の助けも受けながら問題にとり組み、自分が希望する現実に近づく工夫を具体的に考えるようにすると、先に進んでいくことができるようになります。

まとめ:4つのステップを踏んで、こころを整え、先に進むのニャ
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マンガ ネコでもできる! 認知行動療法 ニャンだかツラい…がニャンだかタノシい?! に変わる本
著/大野裕、マンガ/ねこまき(ミューズワーク)
SBクリエイティブ 1,540円
大野裕(おおの・ゆたか)
精神科医。1950年、愛媛県生まれ。1978年、慶應義塾大学医学部卒業と同時に、同大学の精神神経学教室に入室。その後、コーネル大学医学部、ペンシルベニア大学医学部への留学を経て、慶應義塾大学教授(保健管理センター)を務めた後、2011年6月より、国立研究開発法人 国立精神・神経医療研究センター 認知行動療法センター センター長に就任、現在顧問。現在、一般社団法人認知行動療法研修開発センター理事長、ストレスマネジメントネットワーク(株)代表、長崎大学客員教授。Academy of Cognitive Therapyの設立フェローで公認スーパーバイザーであり、ベック認知行動療法国際アドバイザー、日本認知療法・認知行動療法学会理事長、日本ストレス学会理事長、日本ポジティブサイコロジー医学会理事長を歴任。2001年から日本経済新聞にてコラム「こころの健康学」を連載、読売新聞「人生案内」執筆中。著書に『こころが晴れるノート』(創元社)、『はじめての認知療法』(講談社現代新書)、『マンガでわかる認知行動療法』(池田書店)、『マンガでわかりやすいうつ病の認知行動療法』(きずな出版)など多数。YouTubeチャンネル・AIチャットボット「こころコンディショナー」配信中。
ねこまき(ミューズワーク)
2002年より、名古屋を拠点にイラストレーターとして活動を開始。コミックエッセイをはじめ、犬猫のゆるキャラ漫画、広告イラストなども手掛けている。著書に『ねことじいちゃん』シリーズ(KADOKAWA)、『まめねこ』シリーズ(さくら舎)、『トラとミケ』シリーズ(小学館)、『しっぽのお医者さん』(日刊現代)、『ケンちゃんと猫。ときどきアヒル』(幻冬舎)、『ちびネコ どんぐり』(ホーム社)などがある。
