写真・文/矢崎海里
かつおは春と秋、2回旬を迎えます。
春のかつおは「初がつお」と呼ばれるのに対し、秋のかつおは「戻りがつお」と呼ばれ、脂が乗っていてもっちりとした食感が楽しめます。
定番のたたきもいいですが、火を通してもおいしく味わえます。
今回は、旬のかつおを使った減塩レシピをご紹介します。
かつおの角煮
【材料】(1人分)
かつお(柵) 100g
生姜 1かけ
★だし汁 大さじ3
★酒 大さじ1
★みりん 大さじ1
★醤油 大さじ1/2
青ねぎ(小口切り) 適量
【作り方】
1.かつおは1.5cm角に、生姜は千切りにする。
2.鍋に1と★の調味料を入れ、中火にかける。沸騰したら弱中火にして10分程度煮る。
3.うつわに盛り付けて、青ねぎを散らして完成。
生姜をたっぷり使ったかつおの角煮レシピです。
だし汁を使用し、少ない水分で煮ることで醤油の使用量を抑えています。
工程2で10分煮た際に煮汁が多いようであれば、一度具材を取り出し、煮汁だけを中火にかけてとろっとするまで水分を飛ばし、再度具材と合わせてみてください。
水分を飛ばすことで凝縮し、よりしっかりとした味付けを感じることができます。
また具材を一度取り出すことで、かつおに火が通りすぎてパサパサになるのを防いでいます。
しっかり火を通しているので、かつおに多く寄生するアニサキス(寄生虫)を死滅させることもできますよ。
春に獲れる初かつおと、秋に獲れる戻りかつおは栄養価が異なります。
戻りがつおの方が脂乗りがよく、脂質の量は初がつおの12倍にもなります。
かつおに含まれる不飽和脂肪酸であるDHAやEPAは、加熱で損失しやすい栄養素ですが、角煮にすることで煮汁に溶け出た脂質も余さず摂ることができます。
食塩相当量:1.4g
かつおのレアカツ チーズソース
【材料】(1人分)
かつお(生食用・柵) 150g
小麦粉 小さじ2
溶き卵 1/2個分
乾燥パン粉 大さじ2
揚げ油 適量
有塩バター 10g
小麦粉 小さじ1
牛乳 大さじ2
ピザチーズ 30g
あらびき黒胡椒 適量
【作り方】
1.かつおはペーパーで水分をしっかりふき取り、小麦粉、溶き卵、パン粉の順で衣をつける。
2.鍋に揚げ油を熱し、1のかつおをひとつの面1分ずつ、返しながら全面揚げる。
3.別の鍋にバターを溶かし、小麦粉を加え、粉っぽさがなくなったら牛乳を少しずつ加えて伸ばす。ピザチーズを加えて溶かし、ソースを作る。
4.2のカツを食べやすい大きさに切り分け、3のソースにあらびき黒胡椒を振って添えて完成。
生食用のかつおを、豪快にレアカツにしてみました。
柵のままパン粉をつけてさっと揚げることで、外はカリッと、中はレアに仕上がります。
タルタルソースや大根おろしもいいですが、濃厚なチーズソースを添えるひと手間で、いつもと違った揚げ物の食べ方が楽しめますよ。
戻りがつおはほかにもビタミンDを多く含んでいます。
ビタミンDはカルシウムの代謝に関わるビタミンで、骨や歯の形成に関与する栄養素です。
今回合わせたチーズソースに使用したチーズや牛乳などの乳製品などと組み合わせることで、カルシウムの吸収を助けるはたらきがあります。
食塩相当量:1.3g
* * *
今回ご紹介した角煮レシピはしっかり火を通しているので、食べきれなくて鮮度が落ちてしまった生魚のアレンジレシピとしておすすめです。
ごはんのお供にもぴったりなので、生魚が苦手という方も試してみてくださいね。
文/矢崎海里(やざき・かいり)
管理栄養士やフードスペシャリストなどの資格を生かし、企業で働く傍ら、Webメディアでも活動。おいしく食べて健康になれるごはんを研究中。