長年、高齢者の診療やウォッチャーを続け、10年以上アンチエイジング医療に取り組んできた精神科医の和田秀樹さんの最新刊『60歳からはわたしらしく若返る』(日本文芸社)は、「毎日楽しみながら生きる人はずっと元気でいられる」をコンセプトに、「老けないためのさまざまな方法」を365日のフォーマットで紹介する1冊です。

和田先生は、60歳以降の女性は「我慢している人より自由に楽しんでいる人のほうが元気」と言います。また、若々しさの秘訣は「脳の前頭葉部分を活性化させる」ことだそう。新しいことを試し、初体験のワクワクで前頭葉が刺激されると意欲が増し、見た目も思考も若々しくなるとのこと。そうなるとさらに積極的に行動するようになり、再び前頭葉が刺激されるという好循環が生まれるそうです。

前頭葉に効く3つのテーマ、「タブーを作らずチャレンジする」「ひと目を気にしない」「自分の心と体に正直になる」をもとにした365のきっかけや学びのネタは、「365日の前頭葉活性化のための暮らし事典」のような使い方もできます。今回は、「ひと目を気にしない」生き方のヒントをご紹介します。これからの人生がよりポジティブで、豊かなものになるはずです。

文/和田秀樹

図書館で児童書を読んでみる

図書館に通っている人でも、興味があるコーナー以外にはあまり行かないのではないでしょうか? それならばチャンスです。ためしに児童書コーナーに行ってみましょう。児童書コーナーによく行く人は、普段行かないコーナーをチェックしてください。懐かしい本、今の子どもたちに人気の本、子どもたちにおすすめの本を聞いてみるのもいいかもしれません。きっと新鮮な気持ちになれるでしょう。

ファッションに「今」を取り入れてみる

ファッションは自分の一部。個性や主張、気分が表れるものです。逆に、ファッションによって自分が影響を受けることも確実にあります。流行のカラーやアイテムを取り入れたら、どんな気分になるか? 身をもって実験してみて
ください。若々しい気分になったり、表情が明るくなったら、大成功! しっくりこなかったら着こなしに工夫をしてみましょう。少しでも新しい発見があれば結果オーライです。

しんどくなったら隠さず、甘える

年をとると、できないことが増えてきます。頑張ってもどうにもならないことを突きつけられる。そうなったとき、どうしますか? なんとかして自力で頑張るというのは60代まで。70代になったら、潔く甘えてください。年をとったのですから、恥ずかしくなんてありません。

私たちは子どものころから「人に迷惑をかけてはいけません」と教えられてきました。そのせいか、真面目な人ほど甘えることに対するハードルが高い傾向があります。だから、60歳を超えたら、少しずつ甘えのハードルを下げていきましょう。周りの人に相談することで、コミュニケーションが生まれます。ここまでは自分でできるけれど、これ以上は助けてもらうというふうに、考えることで自分自身を客観的に見ることもできます。周りの人も、いざというときには助けやすくなるでしょう。

*  *  *

60歳からはわたしらしく若返る
著/和田秀樹
日本文芸社 1,760円

和田秀樹(わだ・ひでき)
1960年大阪府生まれ。東京大学医学部卒業。精神科医。
東京大学医学部附属病院精神神経科助手、米国カール・メニンガー精神医学学校国際フェロー、高齢者専門の総合病院である浴風会病院の精神科を経て、現在和田秀樹こころと体のクリニック院長。高齢者専門の精神科医として30年以上高齢者医療の現場に携わる。主な著書に、ベストセラーとなった『80歳の壁』(幻冬舎新書)、『老いの品格』(PHP新書)、『70歳が老化の分かれ道』(詩想社)など多数。

 

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