ドラッグストアで、よく目にする漢方薬。「なんとなく体に優しそうなイメージ」「葛根湯なら知っているけれど……」など、「そもそも漢方ってどんなもの?」と思っている人も多いのではないでしょうか。
そんな基本的な漢方に関する疑問や基礎知識を、漢方の専門家にわかりやすく解説してもらいます。第96回のテーマは、「竹茹温胆湯(ちくじょうんたんとう)」です。あんしん漢方(オンラインAI漢方)の薬剤師、碇 純子さんに教えてもらいました。
竹茹温胆湯はどんな人におすすめ?
まずは、竹茹温胆湯がどんな人に向いているのか、具体的にご紹介します。
1.かぜやインフルエンザの熱がなかなか下がらない人
竹茹温胆湯は、かぜやインフルエンザの発症から2〜3日経って、症状のピークを過ぎても熱が長びいている場合におすすめの漢方薬です。
また、竹茹温胆湯は、神経の高ぶりやイライラを鎮めて寝つきをよくする効果が期待できます。寝つきをよくしてしっかり眠ることで、長引くかぜで消耗した体力の回復を助けます。
2.咳や痰が多く、ぐっすり眠れない人
竹茹温胆湯は、咳や痰が多く、安眠できないときにも用いられます。咳や痰の原因である余分な水分の排出を促して、症状の改善を目指し、睡眠の質の向上に働きかけます。
3.かぜ薬で眠気が出ると困る人
竹茹温胆湯は、安眠を促す漢方薬ですが、眠くなる成分は配合されていません。「かぜ薬を服用したいけれど、仕事や学校で眠気が出ると困る」というときにも向いています。
漢方薬のかぜ薬としては葛根湯が有名ですが、症状のピークを過ぎて回復期になっても熱が長引いている場合は、竹茹温胆湯を用いるといいでしょう。
竹茹温胆湯とは?
次に、竹茹温胆湯の効能・効果や基本的な飲み方をご紹介します。
1.効能・効果
竹茹温胆湯は、漢方の古典といわれる中国の医書「万病回春(まんびょうかいしゅん)」に収載されている漢方薬です。かぜやインフルエンザ、肺炎の回復期に、熱が長引いたり咳や痰が多く安眠できなかったりするときに用いられます。
症状のピーク(発症から2〜3日)を過ぎても、なかなか下がらない熱や多く出る咳・痰は、かぜが長引いて胃腸の機能が低下し、水分代謝が悪くなることが原因のひとつです。竹茹温胆湯は、胃腸の働きを助けて余分な水分の排出を促し、熱や咳、痰などの症状の改善に働きかけます。
また、熱が下がらないときだけでなく、平熱になっても気分がさっぱりしない場合に使われることもあります。
2.基本の飲み方
竹茹温胆湯のような漢方薬は、基本的に食前(食事の30分前)や、食間(食事から2時間後)に水またはぬるま湯で飲みます。
飲み忘れた場合は、気がついた時点ですぐに1回分を服用しましょう。薬を飲んだら、次の服用まで1日2回の場合は6時間以上、1日3回の場合は4時間以上の間隔をあけます。副作用リスクが高くなるため、一度に2回分をまとめて飲むのは避けてください。
1週間ほど飲んでも症状がよくならない場合は、服用を中止し、医師や薬剤師などに相談しましょう。
竹茹温胆湯に副作用はある? 安心して服用するには
漢方薬は、一般的に西洋薬よりも副作用が少ないといわれています。しかし、必ずしも副作用が起こらないわけではありません。たとえば、竹茹温胆湯の副作用として、発疹やじんましんなどが報告されています。
まれに、偽アルドステロン症やミオパチーなどの重篤な副作用の初期症状として、顔や手足のむくみ、体や手足に力が入らない、こわばるなどの症状があらわれることがあります。なにか異変を感じたときは、すぐに医療機関を受診しましょう。
また、副作用のリスクを低くするには、漢方医学を学んだ医師や薬剤師などの専門家のアドバイスを聞き、症状や体質に合った漢方薬を選ぶことが大切です。
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かぜやインフルエンザの長引く熱や咳には竹茹温胆湯がおすすめ
今回は、竹茹温胆湯をご紹介しました。竹茹温胆湯は、かぜやインフルエンザ、肺炎で、熱が長引いていたり咳や痰が多く出てよく眠れなかったりするときに、体の回復を助ける漢方薬です。
漢方薬は効果・効能が幅広いのも魅力のひとつです。ただし、効果を実感するためには、漢方の専門家にご自身の体質や症状に合った漢方薬を選んでもらい、正しく服用しましょう。
さて、次回は「残尿感が気になったなら『八味地黄丸(はちみじおうがん)』」です。ぜひご覧ください!
<この記事を書いた人>
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