ドラッグストアで陳列されていて、よく目にする漢方薬。「苦いけど体によさそう」「葛根湯は知っているけど……」など、「そもそも漢方ってどんなもの?」と思っている方も多いのではないでしょうか。
そんな基本的な漢方に関する疑問や基礎知識を、漢方の専門家にわかりやすく解説してもらいます。第83回のテーマは、「排尿痛や残尿感の軽減に『五淋散(ごりんさん)』」です。あんしん漢方(オンラインAI漢方)の薬剤師、碇 純子さんに教えてもらいました。
五淋散とは?
まずは、五淋散の効能・効果や基本的な飲み方をご紹介します。
1.効能・効果
五淋散は、慢性の尿路炎症に適した漢方薬です。体力中等度の方の頻尿や残尿感、排尿痛に効果があります。膀胱神経症や前立腺肥大、尿路結石、慢性腎盂腎炎にも用いられます。
2.基本の飲み方
五淋散は、食前(食事の30分前)や、食間(食事から2時間後)のタイミングで服用する薬です。水、ぬるま湯どちらでも構いません。顆粒の場合はぬるま湯のほうが飲みやすいでしょう。
五淋散はどんな方におすすめ?
ここからは、具体的な体の悩みを3つ挙げ、五淋散がおすすめな理由を併せてご紹介します。
1.頻尿や排尿異常の方
五淋散は、頻尿や、尿が少量しか出ないなど、排尿異常のある方に適しています。「滑石(かっせき)」、「沢瀉(たくしゃ)」などの利尿作用のある生薬が、スムーズな排尿を促してくれます。
2.残尿感がある方
五淋散は体内の余分な水分を排出し、代謝を改善します。尿のキレが悪く、排尿後に残尿感がある方や、尿がぽたぽたと垂れてしまう方にもおすすめです。
3.排尿痛がある方
五淋散は、膀胱の余分な熱をとり去り、鎮痛作用により排尿痛を緩和します。慢性的な膀胱炎にも適していて、炎症を抑えつつ、利尿作用で菌を押し流す効果もあります。
五淋散に副作用はある? 安心して服用するには
五淋散を構成する生薬には甘草(かんぞう)が含まれているので、甘草を含むほかの漢方薬や西洋薬との飲み合わせに気をつける必要があります。また、めったに起きる副作用ではありませんが、まれに偽アルドステロン症や、間質性肺炎、腸間膜静脈硬化症が起きる場合があります。
五淋散を服用して異常を感じた場合は、ただちに医師に相談してください。
漢方薬を服用するには、正しい知識と判断が必要不可欠です。漢方薬においてもっとも重要なものは、体質との相性です。いくらいい漢方薬でも、体質との相性が悪ければ適切な効果を発揮しません。
それぞれ人ごとに異なる体質を見極め、適切な漢方薬を提供する、それが漢方のプロである医師や薬剤師の仕事です。
最近は、漢方薬をオンラインで利用できる「あんしん漢方」というサービスも注目を集めています。家にいながらご自身に合った漢方薬をお求めになれる新しいサービスです。プロの漢方医師が体質診断を行うところや、漢方薬の購入まですべてオンラインで完結するところも魅力です。
症状緩和と根本改善を目的とする漢方薬。あんしん漢方は、体質を考えたパーソナルな漢方薬を提供してくれます。西洋薬では治りづらかった悩みを解決できるチャンスです。
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五淋散は膀胱の不調改善に適した漢方薬
五淋散は、排尿痛や残尿感など、膀胱に関する症状の改善を期待できる漢方薬です。とくに慢性的な尿路炎症など、長引く症状に適しています。泌尿器の症状で悩んでいる方は参考にしてください。
さて、次回は「生理痛で処方された『当帰芍薬散』って?」です。ぜひご覧ください!
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