散歩していて脚がつる！ こむらがえりに効く「芍薬甘草湯」【漢方薬剤師が教える漢方のキホン】76

皆さんは、漢方薬と聞くとどんな印象がありますか？ 「苦いけど体によさそう」「葛根湯は知っているけど……」など、「そもそも漢方ってどんなもの？」と思っている方も多いのではないでしょうか。

そんな基本的な漢方に関する疑問や基礎知識を、漢方の専門家にわかりやすく解説してもらいます。 第76回のテーマは、「こむらがえりに効く『芍薬甘草湯（しゃくやくかんぞうとう）』」です。あんしん漢方（オンラインAI漢方）の薬剤師、碇 純子さんに教えてもらいました。

芍薬甘草湯とは？

今回から、漢方薬をひとつずつ紹介するシリーズがスタートします。効果や効能、基本的な飲み方、どんな方に最適な漢方薬かという視点から、詳しく解説していきます。

記念すべき最初の漢方薬は「芍薬甘草湯」です。「ちょっとしたことで脚がよくつる」という方は、ぜひご覧ください。

1．効能・効果

芍薬甘草湯は、「芍薬（しゃくやく）」と「甘草（かんぞう）」の２つの生薬で構成されている漢方薬です。全身に栄養や酸素を運ぶ「血（けつ）」を補い、血流をスムーズにし、筋肉の緊張を緩めるはたらきがあります。即効性があり、痙攣による痛みも抑えてくれます。

2．基本の飲み方

芍薬甘草湯は、「食前」の30分～１時間前、空腹時に水またはお湯で服用します。痛み止めの頓服薬（症状が出たときに使う薬）なので、症状が目立つときに服用し、長期にわたる服用は避けましょう。

芍薬甘草湯はどんな方におすすめ？

ここからは、芍薬甘草湯がどんな悩みを抱えている方におすすめなのか、効能や仕組みについて解説します。

1．筋肉の痙攣、こむら返りで悩んでいる方

激しい運動をしたあとに大量の汗をかくと、体から「血」「水（すい）」が足りなくなります。筋肉が保っていた潤いもなくなり、痙攣やこむら返りが起きやすくなります。芍薬甘草湯は、血流の改善にはたらきかけ、急な筋肉のけいれんを鎮めて、こむら返りの症状を抑えます。

2．生理痛で悩んでいる方

生理痛の痛みの原因は過剰な子宮の収縮です。本来は経血を体の外に押し出すはたらきがありますが、収縮が強くなりすぎると下腹部にキリキリとした痛みが出ます。芍薬甘草湯はその収縮を緩和し、筋肉の緊張を抑えることで生理痛などの腹痛を軽減します。

3．急性腰痛症（ぎっくり腰）で悩んでいる方

急性腰痛症、いわゆるぎっくり腰とは、重い物を持ったときなどに筋肉や靭帯に急激な負荷がかかり、断裂が起きて神経を刺激することで痛みが発生することです。芍薬甘草湯は、慢性的な腰の痛みではなく、ぎっくり腰のような急性の腰痛にもよく効きます。

芍薬甘草湯に副作用はある？　安心して服用するには

芍薬甘草湯は、甘草を含んでいるほかの漢方薬と飲み合わせると、高血圧やむくみなどの副作用、偽アルドステロン症が起きる場合があります。

甘草は風邪薬や胃腸薬など、市販の西洋薬にも多く含まれています。飲み合わせに関しては自己判断せず、必ず医師や薬剤師に相談しましょう。

副作用が起きた場合はただちに薬の使用を中止し、病院で診察を受けてください。

こういったトラブルを回避するためにも、ご自身に合った漢方を専門家に選んでもらうのがおすすめです。最近は、あんしん漢方というオンラインで、気軽に診察・漢方薬の購入まで完結できるサービスが話題を集めています。

漢方医療チームとAIの力で、それぞれの体質をしっかりと判断したうえで、適切な漢方薬を選択してくれます。服用中は漢方の専門家にいつでも相談できるので、実際の病院に通院するような感覚でサービスを受けられます。

●あんしん漢方（オンラインAI漢方）：https://www.kamposupport.com/anshin1.0/lp/?tag=221432a9sera0152

急な脚腰、生理痛のトラブルには芍薬甘草湯！

芍薬甘草湯は芍薬と甘草という２つの生薬のみで構成される非常にシンプルな漢方薬です。即効性があるため、アスリートにもよく使用されている漢方薬で、「筋肉の痙攣や痛みを緩和したい」という目的におすすめです。

さて、次回は「低気圧や寒暖差の頭痛に効く『五苓散（ごれいさん）』」です。ぜひご覧ください！

＜この記事を書いた人＞

●あんしん漢方（オンラインAI漢方）：https://www.kamposupport.com/anshin1.0/lp/?tag=221432a9sera0152

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