皆さんは、漢方薬と聞くとどんな印象がありますか? 「苦いけど体によさそう」「葛根湯は知っているけど……」など、「そもそも漢方ってどんなもの? 」と思っている方も多いのではないでしょうか。
そんな基本的な漢方に関する疑問や基礎知識を、漢方の専門家にわかりやすく解説してもらいます。 第49回のテーマは、「筋肉の疲れに効く漢方薬」です。あんしん漢方(オンラインAI漢方)の薬剤師、竹田由子さんに教えてもらいました。
筋肉のケアには漢方薬がおすすめ
人体には大小合わせて600以上もの筋肉が存在します。体を動かし、守り、そして基礎代謝にも影響している筋肉は生命活動に欠かせないもので、筋肉の不調は体全体の不調にもつながります。
今回は、筋肉の疲れに効く漢方薬と題し、筋肉症状の緩和に有効な漢方薬をご紹介します。まずは、筋肉の代表的な不調と、それぞれのくわしい症状について解説します。
1.筋肉痛
激しい運動を行ったあとには筋繊維が修復され、そのとき炎症による痛みが生じますが、これが筋肉痛の原因です。
普段あまり体を動かさない人が久しぶりに体を動かす場合や、筋トレで同じ箇所を酷使した場合に起きやすく、数時間後から1~2日後など、しばらく時間を置いてから痛み始めます。
筋肉痛の場合、筋肉を動かしたり、力を加えたりすると痛みを感じます。痛みは数日から1週間ほどで自然と収まりますが、熱感や腫れなどを感じる場合もあります。
2.筋疲労
筋疲労は、筋肉を使いすぎてしまい、だるさを感じる状態です。筋肉痛とは違い、筋肉に損傷はありません。しかし、血液循環が悪くなっている状態なので、筋肉がこわばり、倦怠感を生じたり、手足を動かしづらく感じたりしてしまいます。
脳の疲労やエネルギー不足、筋肉の熱が原因である場合もあり、適度な休息やストレッチ、保冷剤などを使用して解消します。
3. 筋肉のけいれん
運動後に起きる筋肉のけいれんは、汗などで体の水分量が低下し、筋肉や神経の調整役であるミネラルが減少することで起きます。また、準備運動の不足や、血行不良、冬の寒暖差が影響する場合もあります。
いわゆる「こむら返り」も筋肉のけいれんのひとつで、脚のふくらはぎの筋肉が収縮し、急激な強い痛みを感じます。加齢による筋肉量の減少も原因のひとつで、運動時だけでなく、就寝中にいきなり起きる場合もあります。
筋肉の症状に効く漢方薬
ここからは、筋肉のケアに役立つ漢方薬をご紹介します。
筋肉痛には、「運動などで生じた筋肉の炎症を抑える」「損傷してしまった筋肉の繊維を回復させる」などを目的とした漢方薬を選びます。
こむら返りには、「筋肉に酸素や栄養を届け、疲労を軽減する」「血流や水分の循環をよくして筋肉をゆるめる」「胃腸の働きをよくしてミネラルバランスを整える」といった働きをする漢方薬を選びます。
また、根本改善のためには、「普段使っていない筋肉の毛細血管の血流をよくする」「筋肉の血流を改善して柔軟性をあげる」などの働きをもつ漢方薬からも選ばれます。
それぞれの症状に対応した漢方薬と効能、どんな人におすすめかを併せて見ていきましょう。
1.筋肉痛には疎経活血湯(そけいかっけつとう)や葛根湯(かっこんとう)
筋肉痛やしびれなどにおすすめなのが疎経活血湯です。痛みとしびれがある場合に適しています。
また、肩こり、首の痛みなどが気になる場合は葛根湯もよく用いられる漢方薬のひとつ。血流循環を改善し、痛みを軽減します。
2.筋疲労には補中益気湯(ほちゅうえっきとう)
補中益気湯は、気虚(気の不足)の方や体力が低下した方に用いられる漢方薬です。元気がなく、倦怠感やだるさを感じている状態を緩和します。
胃の消化吸収を整え、かぜなどの消耗性の疾患にも用いられます。
3.筋肉のけいれんには芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)
芍薬甘草湯は、急な筋肉のけいれんや痛みに対処できる漢方薬です。脚のつり、腰痛、腹痛を感じる方に処方されます。
即効性が期待でき、こむら返りの特効薬としても有名で、愛用しているスポーツ選手も多い漢方薬です。
漢方は体質との相性で正しく選ぼう
漢方は、気・血・水という独自の考えを元に、様々なものさしで「証」を決定し、患者の体全体のバランスを整え、改善を目指します。
患部だけを治療する西洋医学の考えとは根本的に異なります。また、副作用のリスクは西洋薬より少ないといわれています。
しかし、漢方薬の力を最大限発揮するには、正しい診断、処方が必要不可欠です。誤った診断と処方では本来の漢方薬のパワーを発揮できません。自分で判断せず、きちんと漢方を基礎から学んだ医師や薬剤師に診断と処方を行ってもらいましょう。
最近は、オンラインで完結するあんしん漢方というサービスが注目を集めています。診断・処方・購入がすべて家から出ずにスマホひとつで行え、より身近に漢方を感じられます。
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つらい筋肉の症状を緩和して毎日を健やかに
筋肉痛、筋疲労、けいれんなど、筋肉には様々な不調が起きます。それぞれ原因や対処法も違い、適度な休息のほか、生活習慣や栄養バランスを整え健康的な毎日を送ることでも緩和できます。
さて、次回は「骨に効く漢方薬」です。ぜひご覧ください!
<この記事を書いた人>
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