皆さんは、漢方薬と聞くとどんな印象がありますか? 「苦いけど体によさそう」「葛根湯は知っているけど……」など、「そもそも漢方ってどんなもの? 」と思っている方も多いのではないでしょうか。

そんな基本的な漢方に関する疑問や基礎知識を、漢方の専門家にわかりやすく解説してもらいます。 第45回のテーマは、「睡眠に効く漢方薬」です。あんしん漢方(オンラインAI漢方)の薬剤師、竹田由子さんに教えてもらいました。

睡眠の悩みには漢方薬がおすすめ

睡眠は人間の生命活動には不可欠で、脳や体の休養・疲労回復だけでなく、免疫機能の調整、記憶の定着など様々な役割があります。

睡眠の時間や質が死亡リスクに深く関連しているという研究データもあり、睡眠の悩みは決して軽視できません。

そんな睡眠の悩みの解決には漢方薬がおすすめです。漢方薬は体のバランスを整え、改善に導きます。まずは、睡眠の悩み別に、特徴と原因をみていきましょう。

1.入眠困難

入眠困難は、不眠症の代表的な症状のひとつです。具体的には、布団に入ってから30分~1時間以上経っても眠りにつけず、それが1か月以上続くような場合です。

不眠症のなかでは比較的多い症状ですが、放置するとさらに悪化する可能性もあるので注意が必要です。

原因は、生活習慣の乱れをはじめ、ストレス、体や心の病気、お酒や薬など多岐に渡ります。ひとつずつ原因を探っていき、改善することが必要です。

2.眠りが浅い

睡眠時間が長くても、眠りが浅いと疲れがとれません。翌朝になっても疲労感が残ったまま、日中にも影響する場合は睡眠障害といえます。

睡眠には深い眠りのノンレム睡眠と、浅い眠りのレム睡眠があります。入眠から90分後にノンレム睡眠が始まり、さらに90分後にレム睡眠に切り替わります。

これらを交互にひと晩4~5回ほど繰り返しますが、この睡眠リズムが崩れ、レム睡眠が多い状態だと「眠りが浅い」と感じる原因になります。

3. 中途覚醒

夜中に目が覚めてしまい、そのまま寝つけなくなってしまう状態を中途覚醒といいます。加齢やストレス、外的刺激、お酒が原因として挙げられます。

若い人の場合は生活習慣の乱れが大半ですが、高齢者は眠り自体が浅くなるため、外的刺激で中途覚醒しやすくなってしまいます。

また、中途覚醒は睡眠時無呼吸症候群や脳卒中、痴呆などが原因になっている場合もあるので、異常を感じた場合は医師に診てもらいましょう。

睡眠の悩みに効く漢方薬

ここからは、睡眠の悩み別に効果的な漢方薬をご紹介します。漢方薬のなかには、「不眠」に効果が認められているものがあります。

不眠に対しては、「自律神経の乱れを整え、ストレスが原因の疲労や睡眠の質を改善する」「いらだちや興奮を鎮めて寝つきをよくする」「血流をよくして中枢神経の機能を回復し安眠に導く」「栄養を全身に届けて、心と体を元気にする」などの作用をもつ漢方薬で改善を目指します。

漢方薬は自然由来の成分でできているため、一般的に副作用が少ないとされています。また、ひとつの症状に強い効果を発揮する西洋薬とは異なり、体質の根本改善を行うことを目的としているのも特徴です。

それぞれの漢方薬の特徴と、どんな症状に最適な漢方薬なのかを詳しく解説します。

1.入眠困難には柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)

寝つきが悪く、毎日なかなか眠れない人には柴胡加竜骨牡蛎湯がおすすめです。この漢方薬は気を巡らせて体の熱を冷まし、自律神経の調整や、興奮を抑制する働きがあります。心を落ち着かせてくれるので、ストレス性の不眠にもおすすめです。

2.眠りが浅い場合には加味逍遙散(かみしょうようさん)

加味逍遙散は、血色が悪く、心身が疲れ切っている不眠症の方に向いている漢方薬です。慢性的な不眠症による体の疲労感や、ストレスや精神不安、いらだちの改善も期待できます。

3.中途覚醒には抑肝散加陳皮半夏(よくかんさんかちんぴはんげ)

寝つきはよくても夜中や早朝に目覚めてしまい眠れなくなる中途覚醒には、抑肝散加陳皮半夏がおすすめです。精神や自律神経の機能を調整する「肝」の高ぶりを抑える抑肝散を主体にした漢方薬で、自律神経を安定させ、不眠症を改善します。

漢方は体質との相性で正しく選ぼう

漢方薬でもっとも重要なのは漢方薬と体質との相性です。いくらいい漢方薬でも、人によっては効かず、逆に副作用が出てしまう場合もあります。漢方は様々な観点から体質を診断し、その体質に合った漢方薬を処方することで、体質のバランスを改善します。

最初の診断が間違っていればもちろん良い結果は得られません。そこで重要なのが、きちんと漢方を学んだ医師や薬剤師などのプロフェッショナルの存在です。患者ごとに違う体質を見極め、適切な漢方薬を処方することは、専門家にしかできません。

最近は、あんしん漢方という便利なサービスも人気を集めています。オンラインで家にいながら利用できるサービスで、診断、処方、購入がすべてネットだけで完結します。「なかなか病院に通えない」という方でも気軽に利用できる本格的な漢方サービスです。

最先端のAIと漢方医学の医療チームがタッグを組んだマッチング技術で、適切な漢方薬を処方してくれます。個別サポートも充実していて、漢方サポートドクターにオンライン相談も可能。実際に病院に通院する感覚で利用できます。

●あんしん漢方:https://www.kamposupport.com/anshin1.0/lp/?tag=221432a9sera0120

睡眠の悩みには漢方薬がおすすめ!

なかなか寝つけない、眠りが浅い、途中で起きてしまう……睡眠の悩みは長年抱えている方が多く、原因もそれぞれ異なります。漢方薬で体を整えれば、睡眠の悩みの改善に役立つ場合もあります。

睡眠不足が続くと日中活動する元気や意欲も低下し、生活そのものの輝きもなくなってしまいます。決して軽視せず、きちんと睡眠の悩みに向き合い、改善していきましょう。

<この記事を書いた人>


あんしん漢方(オンラインAI漢方)薬剤師
竹田由子
元漢方・生薬認定薬剤師。大学院で臨床薬学を専攻、日米で病院研修を受ける。病院薬剤師として10年間入院患者を担当しながら、化学療法・医薬品情報担当としても活動する。
患者さんから「本音を話しやすい」と言われ関わるうちに、日常のセルフケアの大切さを痛感。転居後は薬局に勤務する傍ら、ライターとしても活動する。病院時代の上司が漢方好きで、漢方の凄さを体感し魅了され「日常の不調はまず漢方」と生活している。
現在は、漢方のプロがAIを活用して自分に適した漢方薬を選びお手頃価格で自宅に郵送してくれる「あんしん漢方」でも情報発信をしている。

●あんしん漢方(オンラインAI漢方):https://www.kamposupport.com/anshin1.0/lp/?tag=221432a9sera0120

 

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