写真・文/矢崎海里
北海道では9月~10月に水揚げのピークを迎える鮭。
この時期に水揚げされるしろさけは「秋鮭」と呼ばれ、さんまやサバと並び秋の味覚として親しまれています。
秋鮭(しろさけ)はぎんざけ・たいせいようさけに比べてエネルギー・脂質が少なく、たんぱく質が多いのが特徴。
ビタミンD含有量も多く、栄養価が優れた魚です。
今回は旬の秋鮭をおいしく食べられる減塩レシピをご紹介します。
フライパンひとつで鮭のちゃんちゃん焼き
【材料】(1人分)
生鮭 1切れ
キャベツ 80g
もやし 80g
玉ねぎ 1/8個
人参 1/5本
★味噌 小さじ1
★酒 小さじ1
★みりん 小さじ1
★砂糖 小さじ1/2
★有塩バター 10g
【作り方】
1.キャベツは2cm程度の角切りに、玉ねぎは薄切りにする。人参は1cmの短冊切りにする。
2.フライパンに1ともやしを入れ、その上に生鮭をのせる。ふたをして弱火で10~15分蒸し焼きにする。
3.★の材料を耐熱容器に入れ、600Wの電子レンジで20秒加熱してバターを溶かす。
4.鮭に火が通ったら3を回しかける。中火で軽く水分を飛ばしたら完成。
ちゃんちゃん焼きとは、北海道石狩地方を中心に愛されている郷土料理です。
秋から冬に旬を迎える鮭と野菜を蒸し焼きにして、バターや味噌、みりんなどで味付けしています。
甘めの味噌とバターのコクが絶品。
今回はフライパンひとつで作れるレシピをご紹介しましたが、ホットプレートでも調理できます。
これから寒くなる時期、熱々を食卓で楽しめますよ。
鮭の身の赤色はアスタキサンチンという成分です。
アスタキサンチンはエビやカニにも含まれていて、活性酸素を除去して酸化を抑制する抗酸化作用があります。
食塩相当量:1.1g
鮭と豆腐の揚げだし 野菜あんかけ
【材料】(1人分)
生鮭 1切れ
木綿豆腐 1/4丁
片栗粉 大さじ1
油 大さじ2
まいたけ 1/2パック
玉ねぎ 1/4個
人参 1/5本
★めんつゆ(3倍濃縮) 大さじ1/2
★水 大さじ4
水溶き片栗粉 大さじ1/2
青ねぎ(小口切り) 適量
【作り方】
1.木綿豆腐は水切りをしておく。まいたけは食べやすい大きさにほぐし、玉ねぎは薄切りに、人参は千切りにする。
2.鍋にまいたけ、玉ねぎ、人参、★の調味料を入れて火をつける。沸騰したら弱火にして、水溶き片栗粉を加えてとろみをつけて、火を止める。
3.鮭は一口大に切り、キッチンペーパーで水気を拭き取る。木綿豆腐も半分に切り、それぞれ片栗粉をつけ、油を熱したフライパンで両面揚げ焼きにする。
4.3をうつわに盛りつけ、2のあんをかける。青ねぎを散らして完成。
片栗粉をつけて揚げ焼きにした生鮭と豆腐に、旬のまいたけと野菜を合わせたあんをかけた一品です。
めんつゆのみというシンプルな味付けですが、きのこの旨味がしみ出て絶品、とろみもあるので具材によく絡みます。
お好みでえのきだけやしめじ、しいたけなどを加えるのもおすすめです。
あんかけは豆腐ステーキ、ハンバーグなどにも応用できます。
鮭にはカルシウムの吸収を助け、じょうぶな骨や歯をつくる栄養素、ビタミンDが多く含まれています。
ビタミンDはまいたけなどのきのこ類にも含まれています。
木綿豆腐に含まれるカルシウムと合わせて、一緒に補うと効果的です。
食塩相当量:1.1g
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鮭にはいろいろな種類がありますが、旬の時期は国産が多く流通し、比較的安価で手に入ります。
いろいろな食べ方で旬のおいしさを味わってください。
文/矢崎海里(やざき・かいり)
管理栄養士やフードスペシャリストなどの資格を生かし、企業で働く傍ら、Webメディアでも活動。おいしく食べて健康になれるごはんを研究中。