皆さんは、漢方薬と聞くとどんな印象がありますか? 「苦いけど体によさそう」「葛根湯は知っているけど……」など、「そもそも漢方ってどんなもの? 」と思っている方も多いのではないでしょうか。
そんな基本的な漢方に関する疑問や基礎知識を、漢方の専門家にわかりやすく解説してもらいます。 第32回のテーマは、「漢方薬の歴史(4)現在」です。あんしん漢方(オンラインAI漢方)の薬剤師、竹田由子さんに教えてもらいました。
昭和~現代:漢方医学の発展へ
明治から昭和にかけて、衰退の危機から劇的な復興を遂げた日本の漢方医学。今回は、昭和から現代に続く漢方の歴史を解説します。
漢方医学の先人たちの遺志を引き継ぎつつ、湯本求真が昭和2年に「皇漢医学」を刊行します。傷寒論・金匱要略といった漢方のベースになる考えをもとに、豊富な参考文献を挙げて論じられる漢方の考えは、後進にも大きな影響を与えました。
そして、昭和25年頃にエキス製剤化された漢方薬が診療所で治療に使用されます。さらに、昭和32年に一般用漢方エキス剤が発売されます。
昭和42年になると漢方薬が医療用漢方製剤として医療保険適用になり、段階的にその数は増え、昭和57年の段階で148処方が薬価基準に収載されています。
平成になると、日本医学会分科会に日本東洋医学会が登録され、文部科学省の医学教育モデルに漢方医学が採録されるなど、さらに漢方は発展し続け、現在に至っています。
今漢方が再び注目されている理由とは?
近年、漢方が再び注目されブーム化の流れがあります。一般的なドラッグストアでも簡単に漢方薬が手に入るようになり、西洋薬とうまく使い分けながら不調を治すという考え方が浸透しています。
西洋医学と漢方(東洋)医学のアプローチの違いとしてよく言われるのは、「“病気”をみるか、“病人”をみるか」ということ。西洋医学は、病原が明らかな症状に関しては強いのですが、その反面、病原が確定しないと治療へと進めません。
一方、漢方医学は病原がよくわからない体の不調にも対処できます。未病と呼ばれる、病気の前段階の状態からアプローチできるのも魅力です。患者の体質を見つつ、体全体のバランスを修正し、調子を整えていくのが漢方の基本理念です。
また、海外でも漢方薬があらためて人気を集めています。科学的な根拠に基づく検証が進み、従来の伝統医学のイメージからも徐々に変化しつつあり、代替医療としての可能性にも大きな関心が集まっているのです。
漢方薬を取り入れて健康な毎日を
漢方薬は、化学的に合成された西洋薬と違い、自然にある動植物・鉱物などを原料にした生薬を組み合わせて調合した薬です。副作用のリスクも西洋薬に比べ低いのが特徴です。
そもそも漢方薬は、免疫力を上げたり自律神経を整えたりすることで、病気にならない体作りを目的としています。それによって、症状が根本から改善したり、症状を緩和させることができるのです。
血流や水分の循環を改善することで栄養を全身に届けたり、胃腸の機能を回復させることで疲れやストレスに負けない体を作ることもできます。
漢方薬は、症状や体質に合わせて選ぶことで素早い効き目が感じられます。また、体質を根本から改善することができるので、治りにくい慢性の症状にも向いています。まずは、漢方の知識をきちんと学んだ医師や薬剤師の正確な診断を受けましょう。
「なかなか通院する時間がとれない」「もっと気軽に漢方薬を使いたい」という方におすすめなのが、オンラインで診断から漢方薬の購入まで完結できる「あんしん漢方」です。漢方コンシェルジュ(薬剤師)があなたの体質を見極め、適切な漢方薬を処方します。
症状の緩和から根本改善まで、漢方薬でしかできないアプローチで体の不調を治していきます。最新鋭のAIも駆使しつつ、漢方サポートドクター(医師)による個別サポートや相談も可能です。
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漢方の誕生から現在まで
古代中国の医学の影響を受けつつも、日本で独自の発展を遂げ進化してきた漢方。衰退の危機を乗り越え、現在では西洋医学と対をなすほどに存在感を増しています。体のバランスを整え、未病からアプローチできるのも漢方ならではの利点です。
さて、4回シリーズでお送りした「漢方の歴史」は今回で終わりです。次回のテーマは、「腸に効く漢方薬」です。ぜひご覧ください!
<この記事を書いた人>
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