皆さんは、漢方薬と聞くとどんな印象がありますか? 「苦いけど体によさそう」「葛根湯は知っているけど……」など、「そもそも漢方ってどんなもの? 」と思っている方も多いのではないでしょうか。
そんな基本的な漢方に関する疑問や基礎知識を、漢方の専門家にわかりやすく解説してもらいます。 第30回のテーマは、「漢方薬の歴史(2)室町〜江戸」です。あんしん漢方(オンラインAI漢方)の薬剤師、竹田由子さんに教えてもらいました。
室町~江戸時代:日本の医学の隆盛
室町以降になると、漢方医学はさらに発展していきます。これは明(中国)との交流が大きく影響しています。日本は戦国時代を迎えた頃ですが、明との公式貿易がスタートし、帰国した留学者たちにより、治療理論が伝えられました。
さらに、江戸時代になると、後世方派、古方派、考証学派の三派に学派がわかれます。そして、江戸後期にはオランダの医学である「蘭方」に対し、「漢方」と称されました。
意外にも漢方という名前の歴史は浅く、江戸期に入ってからそう呼ばれるようになったといわれています。
医学の発展における主要人物
この時代の医学が変化するなかで、日本の漢方の発展に重要な役割を果たしたキーパーソンが複数存在しました。その主要人物を紹介しましょう。
■田代三喜
室町時代の医師で、明に10年ほど留学した人物です。田代は、中国の金元時代に発展した「李朱医学」を学び、その知識を日本に輸入しました。李朱医学は、今となっては当たり前のような陰陽論、五行論、六気を初めて臨床に導入した医学で、画期的なものでした。
■曲直瀬道三
田代三喜の弟子で、後世方派と呼ばれる学派の人物です。田代同様に李朱医学を伝え、発展に寄与しました。織田信長や豊臣秀吉、毛利元就ら戦国大名も曲直瀬を評価し、医師として尊敬していました。
■李東垣
金元時代を代表する医師で、『脾胃論』『内外傷弁惑論』といった有名な著書を残しています。そのなかには、今現在使われている漢方薬も登場します。
漢方薬をとり入れて健康な毎日を
漢方は、長い年月をかけて薬として確立されました。その原料は生薬という植物、動物、鉱物などで自然の恵みを利用します。西洋薬と比べ副作用も少なく、近年改めて注目されています。
漢方薬は一般のお薬のように症状の緩和や病気の治療に使われるだけでなく、理想の健康を目指すためのお薬でもあります。血流を改善することで「免疫力」や「代謝」を上げたり、水分の循環をよくすることで「自律神経」を整えたりするなどの働きをもつ漢方薬もあります。
漢方薬は症状や体質に合わせて選ぶことが大事です。素早く効き目を感じられ、体質を根本から改善するためには、きちんと漢方に精通した専門家による処方が鍵となります。
最近は「あんしん漢方」というオンライン漢方サービスも人気です。専門アドバイザーが体質と症状をきちんと把握したうえで診断し、あなたに最適な漢方薬を提示してくれます。さらに、きちんと症状経過を見ながら、パーソナルな提案もしてくれます。
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室町~江戸、さらに漢方が発展し明治以降へ
室町時代に中国との公式貿易が始まり、優秀な医師たちにより、漢方医学はさらに研究され発展が進みます。さらに、江戸時代になってようやく「漢方」という名前が初めて登場するのです。そして、急速に漢方医学は発展し、明治以降に続いていきます。
さて、次回は「漢方薬の歴史(3)明治〜昭和」です。ぜひご覧ください!
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