皆さんは、漢方薬と聞くとどんな印象がありますか? 「苦いけど体によさそう」「葛根湯は知っているけど……」など、「そもそも漢方ってどんなもの? 」と思っている方も多いのではないでしょうか。
そんな基本的な漢方に関する疑問や基礎知識を、漢方の専門家にわかりやすく解説してもらいます。 第29回のテーマは、「漢方薬の歴史(1)伝来〜編纂」です。あんしん漢方(オンラインAI漢方)の薬剤師、竹田由子さんに教えてもらいました。
漢方は中国のもの?
一般的に漢方というと中国のイメージが強いと思いますが、実は、漢方は日本独自の医学です。もともとは古代中国の伝統医学に端を発しますが、長い年月をかけ、編纂され、独自性を追求してきました。
現代に継承される漢方は、日本人の生活や体質に合わせて独自の発展を遂げたものです。現在の中国の伝統医学と起源は同じでも、それぞれ大きく異なったものになっています。
では、日本の漢方がどんな形で生まれ、進化してきたのか、まずはその伝来からみていきましょう。
中国伝統医学の伝来
漢方の伝来は5世紀にまで遡ります。日本が飛鳥時代の頃に朝鮮半島を経由し、中国医学が伝来しました。そして、7世紀の奈良時代になると、遣隋使や遣唐使による交流が正式にスタートします。文化の輸入が活発化し、そのなかには医療文化も含まれていました。
正楽院に伝わる聖武天皇への献納品リストには、人参、桂心(けいしん)、甘草(かんぞう)、遠志(おんじ)、大黄(だいおう)といった、現在でも一般的に使用されている生薬が確認できます。
そして、平安時代になると、中国から伝わったものを模倣するだけでなく、日本の独自性を追求する試みが生まれます。現在見つかっている漢方の最古の医学書は、この時代に日本人により編纂されました。
中医学を伝えてきた3つの書物
漢方のもととなった中医学の伝来には、重要な3つの文献が存在します。「黄帝内経(こうていだいけい)」は中国最古の医学書で、原著は紀元前200~220年に編纂されたといわれています。この書物のなかで、歴史上初めて“未病”という言葉が使われました。
「神農本草経(しんのうほんぞうきょう)」は正確な時期が定かではありませんが、1~2世紀頃に書かれたとされる薬物書です。薬を薬効の強さにより、上品、中品、下品と分類しています。
「傷寒雑病論(しょうかんざつびょうろん)」は3世紀に書かれた医学書で、「傷寒論(しょうかんろん)」と「金匱要略(きんきようりゃく)」として現在に伝わっています。臨床をもとに書かれており、経験医学書ともいわれます。
黄帝内経が中医学の基礎理論を作り、神農本草経は薬物学を、傷寒雑病論が治療学のもととなりました。この文献は古典中国医療における三大医学書といわれており、日本の現在の漢方医学にも影響を与えています。
漢方薬をとり入れて健康な毎日を
漢方は動植物や鉱物などをもとにした生薬を組み合わせて生成します。自然の恵みを利用する漢方は、化学合成した西洋薬とは違い、副作用のリスクも低いのが特徴です。ナチュラルな漢方は近年改めて注目されており、世代を問わず愛用されるようになっています。
漢方は、人それぞれの症状や体質に合わせて選ぶことで素早い効き目を感じられ、体質を根本から改善することができます。毎日を健康にいきいきと過ごしたいなら、漢方薬がおすすめです。
しかし、体に適した漢方薬を使うなら、医師や薬剤師など、漢方に精通した専門家による診断と処方が大事です。体に合っていないと、効き目が十分に出ないだけでなく、思わぬ副作用に見舞われる場合もあります。
いま、自宅で実践できる漢方として注目を集めているのが、「あんしん漢方」というオンラインサービスです。あなたの症状や体質に合うパーソナルな漢方をモットーに、本当に最適な漢方薬を導き出してくれます。
診断、処方、漢方薬の購入から配送まで、すべて自宅にいながら完結できるのもメリットのひとつ。初回のお試しプランもあるので、気軽に体験も可能です。
●あんしん漢方:https://www.kamposupport.com/anshin1.0/lp/?tag=221432a9sera0104
中国から伝来し、独自の発展を遂げた日本の漢方
現在のわたしたちの生活のなかで使われる漢方薬は、長い年月をかけて先人たちによって磨き上げられてきたものです。
日本の漢方のルーツは古代中国にありますが、伝来したものをただ模倣して利用するだけでなく、歴史のなかで日本独自の進化を遂げ、発展してきました。
そんな漢方薬の歴史について、今後も深く掘り下げていきます。次回は「漢方薬の歴史(2)室町〜江戸」です。ぜひご覧ください!
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