シミやしわ、肌荒れに肌のくすみ、年齢を重ねるごとに肌の悩みは増えていきます。ケアをしたほうがいいと思いながらも、忙しい日々のなかでなかなか手がつけられず、「もう年だから……」と諦めてしまっていませんか? 『老けない人が食べているもの』の著者である、医師・工藤あき先生は、「老ける人と老けない人の差は、遺伝やスキンケアの問題だけでなく、肌をつくる食事の内容にある」と言います。そこで、体の中から肌を変えていくインナーケアの大切さをご紹介します。

文/工藤あき(消化器内科医・美腸・美肌研究家)

しつこい「大人ニキビ」は腸の不調が原因かも

肌とからだの不調の関係で、とてもわかりやすい例が便秘です。やたらと肌荒れしたり、ニキビがくり返しできたりして悩んでいるとしたら、根本的な原因は腸の不調にあるかもしれません。

消化器の不調のなかでも、特に女性は便秘に悩まされることが多いのではないでしょうか。肌の話に進む前に、そもそも便秘とはどんな症状なのか少し説明します。

実は、医学的に、「便秘」とは本来体外に排出すべき糞便を十分量かつ快適に排出できない状態と定義され、疾患名ではなく状態名です。健康な人では、通常1日1回程度の排便がありますが、便秘症の場合は排便の回数が数日に1回程度に減ります。

排便の習慣は個人差が大きく、毎日便通があっても本人は排便が困難だと感じている場合があります。反対に、数日に1回しか便通がなくても、本人は特に苦痛を感じない場合もあるのです。便通の頻度ではなく、排便するのが困難、おなかが張って苦しいなどの症状を伴うものを「便秘症」と呼びます。

さて、そんな便秘症が、なぜ肌に悪影響を与えるのでしょうか? なんとなく「よくなさそう」なイメージは湧くかもしれませんが、どんな仕組みになっているか、詳しく説明しましょう。

排便することによってからだの外に排出される便は、“食べもののカス”というイメージですが、健康な便の約80%は水分です。残りの20%の固形成分のうち、食べもののカスは30%くらい。あとは生きたままの腸内細菌や、はがれ落ちた腸の粘膜です。

腸内細菌や腸の粘膜を何日もおなかのなかにため込んでしまうと、腐敗して腸内に悪玉菌が増え、有害物質がたまってしまいます。それが大腸の壁の毛細血管から吸収され、血液にのって全身をめぐって、さまざまな悪さをするのです。

皮膚に有害物質の影響が及ぶと、肌が荒れてザラついたり、顔色がくすむ、肌にツヤがなくなる、ニキビができるなどの肌トラブルが起こります。ニキビといっても、顔全体にできるような思春期のニキビではなく、あごのフェイスラインなどにできる吹き出物、いわゆる「大人ニキビ」です。

慢性の便秘によって、肌荒れやニキビができやすくなることは、医学的にも検証されており、医学論文で報告されています。そして、便秘が改善すると、お肌の調子がよくなる人が多いことも事実です。このように、便秘症によって肌にダメージが出ている場合、いくら肌の外側からケアをしても、なかなか治らない可能性があります。根本的に便秘が悪さをしているからです。

そして、便秘の治療には、食事の見直しが欠かせません。食べものや食べ方を変えることの効果は大きいのです。実際に、私のクリニックの外来でも、慢性の便秘で苦しんでいた患者さんが食生活の改善をして、2か月間続けたところ、便秘が治ってくるとともにニキビもよくなってきて、肌がきれいになったというケースがありました。
 
もちろん、症状の程度と患者さんの希望によって、便秘の治療薬を併用することもあります。最近は、便秘のタイプによって使い分けられる効果の高い治療薬が数多く開発されていますが、薬だけに頼るのではなく、時間をかけてでも食生活から改善していくことが大切だと私は考えています。

シミ、たるみ、くすみ、急に老ける人のなかで進む“錆び”と“焦げ”

鏡を見ていて、「なんだか顔がたるんできた」「シミやくすみが目立って老けて見える」と感じるとき、もしかすると単なる加齢のせいではないかもしれません。年齢以上にからだを老けさせる「酸化」や「糖化」が進んでいるおそれがあります。

酸化とは、簡単にいうと“錆び”ることです。物質と酸素が結合して起こるもので、鉄が錆びたりするのも、酸化です。日常生活で酸化を実感することはほとんどありません。でも実は知らぬ間にからだが錆びていると思うと、怖いですよね。

酸化が進むとメラニンが増加してシミができたり、コラーゲンが破壊されて皮膚がたるんだり……見た目の老けが目立ってきてしまいます。酸化の悪影響が表れるのは、見た目だけではありません。疲れが抜けにくくなったり、肩がこったり、血圧が上がったりと、からだ全体の老化が進んでしまうのです。

もうひとつ覚えておいていただきたいのが糖化です。酸化が錆びだとしたら、糖化は“焦げ”。こんがり焼けたパンケーキを想像してください。あれは糖とタンパク質が結びついた反応の証拠で、同じような反応が私たちの細胞でも起こります。

運動不足や食べすぎでからだのなかの糖質が増えると、血中の糖が「AGEs(最終糖化産物)」という老化物質に変わります。このAGEsの影響で、肌が黄色くくすんだり、ハリがなくなったり、カサカサになったりするのです。糖化も酸化と同じく、からだ全体の老化を進めてしまいます。糖尿病などの生活習慣病の原因にもなるので、気をつけたいですね。

ちょっと見た目が気になるだけならメイクで隠すこともできますが、からだ全体に酸化や糖化の影響があるのだとしたら、やはり根本的な改善には食生活の見直しが必要です。

たとえば酸化を抑えるビタミン類やポリフェノールを補給したり、糖化を早めるスイーツや焼き菓子を控えたりすることで、からだのなかから若々しさを保つことができます。

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工藤あき(くどう・あき)
消化器内科医・美腸・美肌評論家。一般内科医として地域医療に貢献する一方、腸内細菌・腸内フローラに精通。腸活× 菌活を活かしたダイエット・美肌・エイジングケア治療にも力を注いでいる。また「植物由来で内面から美しく」をモットーに、日本でのインナーボタニカル研究の第一人者としても注目されている。NHK「ひるまえほっと」などに出演。著書には『体が整う水曜日の漢方』( 大和書房)などがある。テレビ、本、雑誌などメディア出演多数。その美肌から「むき卵肌ドクター」の愛称で親しまれている。2児の母。日本消化器内視鏡学会専門医。日本消化器病学会・日本肥満学会・日本高血圧学会・日本抗加齢医学会・日本女性医学学会・日本内科学会認定医。

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