ダイエット中は小腹が空いても間食を我慢することが多いもの。しかし、食べる内容や食べ方さえ気をつければ、間食は体にいい栄養素を補給する、最高の機会となるのです。

間食に高カカオチョコレートを食べるというシンプルなダイエット法で、4か月で24キロものダイエットに成功した医師・鈴木幹啓先生の著書『医師が教える最強の間食術』から、ダイエット以外の高カカオチョコレートの効果をご紹介します。

文/鈴木幹啓

カカオポリフェノールは、脳を活性化し認識機能を向上させる効果が期待できる

病気や老化などによって脳の働きが低下し、日常生活や社会生活を正常に営めない状態が「認知症」です。
そして、認知症のおよそ半数を占める「アルツハイマー型認知症」は、はっきりした原因がわからず、治療法も確立されていません。

コロナ禍で、ほかの人と触れ合う時間や体を動かす時間が減ったことなどが原因で、認知機能の低下が指摘されており、「認知症になってしまうのだろうか……」と不安を抱えている方も少なくないのではないでしょうか。でも、原因はわかっていないとはいえ、認知症を防ぐために必要と思われることは多くの研究で解明されてきています。

その中で、まず注意したいのは、活性酸素です。加齢のほか、生活習慣の乱れや喫煙や飲酒などによって、体内に活性酸素が発生します。細胞を傷つけ、老化を加速させる活性酸素は、同様に脳内でも発生し、脳の細胞にもダメージを与えます。脳細胞が傷ついた結果、脳が委縮してしまい、認知症が発生しやすくなるのです。

これを防ぐには、活性酸素を過剰に発生させる原因となるストレスのかからない生活を意識したり、食生活を見直したりすることが大切ですが、ぜひ、まずは簡単に実践できる高カカオチョコレートの「間食」を1日の食生活に取り入れてみてください。

高カカオチョコレートに含まれるカカオポリフェノールは、脳細胞の酸化を防ぎ、活性酸素を減らす働きがあることは、ご紹介した通り。テオブロミンも血管拡張作用があり、脳を活性化し、認識機能をアップさせてくれます。

さらに、脳の活動を支えるタンパク質の一種「BDNF」を増やすことも、認知症予防の効果が期待されています。脳細胞を増やすのに不可欠とされ、神経細胞の働きを活発にするBDNFは、65歳以上になると加齢とともに減少していきます。

しかし2014年の大規模調査「蒲郡スタディ」では、カカオポリフェノールがBDNFを含む脳の血流を増やし、認知機能を高める可能性が示唆されました。高カカオチョコレートを摂取すると、BDNFは摂取前の6.07から7.39へと上昇しています。この蒲郡スタディの結果は、認知症に不安を感じる人への希望といえるでしょう。

加齢とともに減ってしまうBDNFを増やし、脳細胞を傷つける活性酸素を減らし、脳を活性化させる。高カカオチョコレートなら、これらの効果を期待できるのです。

* * *

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鈴木幹啓(すずき・みきひろ)
日本小児科学会認定小児科専門医。すずきこどもクリニック院長。株式会社やさしさ代表取締役。株式会社オンラインドクター.com代表取締役。自治医科大学卒業。2010年、卒業しわずか9年で現在のクリニックを開業。和歌山県新宮市(人口約2万7000人)の地方都市にもかかわらず、1日200人近く診察し、日本一忙しい小児科医と称されるにいたる。診察に従事する傍ら「親・子・孫の三世代が集まれるような地域づくりをしたい」という思いから、2016年4月に、介護サービス付き高齢者住宅や子どもが遊べる公園、さらには商業施設がそろった「海賊公園スクエア」をオープンさせた。また、「患者ニーズを徹底的に追求する」ことを理念に掲げ、オンライン診察実施医療機関と患者をマッチングさせるオンライン診療システム、「イシャチョク」を運営している。

 

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