とにかくカッとなり声を荒立ててしまう、イライラした後に落込む、急に顔が熱くなる、汗が止まらない、どうしてこんなに頭が痛いの? など、30~40代の「プレ更年期」や、40~50代の「更年期」の女性には、自分ではどうにもならない不調が現れるもの。

実は、その不調には漢方がよく効くことをご存知でしたか?

私の不調にも漢方が効くのか知りたい! どうすれば根本解消できるの? そんな女性たちの疑問を、漢方の専門家に解説してもらいます。

第50回のテーマは、「手指のしびれ」です。医師の木村眞樹子さんに教えてもらいました。

1.手のしびれが原因で料理もままならない! 夫に嫌味まで言われ…

順子さん 52歳 パート女性の方からご質問を頂きました。

「私は近所のスーパーでパート勤務しているのですが、最近手のしびれのせいでクビになりました。お釣りの小銭をうまくつかめないのは日常茶飯事で、陳列の際に商品を落とすなど普段からミスも多く、年配の男性に怒鳴られたり、ご意見箱の投書には名指しで文句が書かれたりしていました。

チーフには毎日のようにネチネチ責められ、結局クビ同然で辞めました。家で料理をするときにも、手がしびれて包丁をうまく使えず、刻み方が大きくなることもしばしばあり、夫に『今日の具は豪快だな』なんてぼそりと嫌味を言われてしまいます。

何もしない夫にも腹が立ちます。いたって健康な夫はまったく私の気持ちをわかってくれず、労ってくれることもありません。手が思う通りに動かせないもどかしさから、すぐイライラしてしまいます。このしびれの悩みを解決できる方法を教えてください」

ご質問ありがとうございます。家事に仕事に、手を使わない日はありませんから、しびれの症状が続くとつらいですよね。 家族や職場など、周囲の理解を得られないと「なぜ私だけこんなにつらい思いをしなければならないの? 」と、さらに悩みが深まってしまいがちです。

しかし、更年期を迎えた女性にとって、しびれは代表的な悩みのひとつでもあります。今回は、手のしびれの原因から対処法まで詳しくご紹介していきます。

2.手のしびれは更年期の女性ホルモンの減少が原因!

主に45歳から55歳の更年期と呼ばれる期間には、からだに様々な変化が訪れます。女性ホルモンのエストロゲンの分泌の減少もそのひとつです。

エストロゲンは手指の腱や関節の「滑膜」という組織を保護する働きがあり、骨や腱をなめらかに動かすために重要な役割を果たしています。このエストロゲンが減ると、腱や関節がしびれを感じ、腫れる、痛みが出るという症状が起きます。

「老化だからしかたない」「仕事、家事で働きすぎている」と別の要因を考えがちですが、手指の痛みは更年期女性に多くみられます。また、血行不良になりやすい冬の時期に血流が低下し、症状が悪化する場合もあります。

ただし、これとは別にリウマチや脳梗塞といった別の原因が隠れている場合があります。おかしいと感じた場合は自分で判断せず、しっかり専門医に診てもらいましょう。

3.更年期の手のしびれを和らげる3つの方法

更年期の不調の治療法のひとつに、ホルモン補充療法があります。これは、不足しているエストロゲンを薬で補い、ホルモンバランスの乱れを和らげていく方法です。 効果もありますが、同時に副作用などのリスクもありますので、通院して治療する必要があります。

ホルモン療法は怖いという方や、通院する時間がないという方には、漢方の考え方によるアプローチがおすすめです。

3-1.姿勢を正す

しびれの対処には安静と固定が原則です。そして姿勢を日常的に意識し、きちんと姿勢を正すことも重要であり、神経にかかる圧迫を減らすことができます。
たとえば、立ち仕事でもデスクワークでも、なるべく手を曲げたままにせず、適度に手を伸ばすことを意識しましょう。

また、固定できる装具も手指の負担を和らげます。クッションやジェルパッドを使い、神経にかかる圧迫を少しでも軽減することが大事です。

3-2.鎮痛剤やステロイド剤注射、手術

手のしびれや腫れ、痛みには、服薬で対処する方法のほか、消炎鎮痛剤で保存療法を行い、ステロイド剤の関節内注射を行うという選択肢もあります。それでも症状が収まらない場合は、手術という選択肢もあります。

それよりも手軽な方法としては、サプリメントの摂取があります。エクオールと呼ばれる女性ホルモンに似た働きを持っているエクオール含有サプリメントを使うことで、女性ホルモンの不足状態を補います。

3-3.漢方薬で更年期のしびれを和らげる

「お医者さんに様子を見ようと言われた」
「早く良くなりたいが、西洋薬には頼りたくない」

そんな方には漢方薬がおすすめです。「しびれ・痛み」などに自然由来の「医薬品」として効果を認められている漢方薬はいくつもあります。
漢方薬は自然にある植物や鉱物などの「生薬」を組み合わせて作られているため、 一般的に西洋薬よりも副作用が少ないといわれています。

また漢方薬が目指すのは苦痛を和らげるための対症療法ではなく、根本的な解決です。体質の改善に働きかけることのできる漢方薬は、「同じ症状を繰り返したくない」という思いに応えてくれます。

「バランスの取れた食事や運動などを毎日続けるのは苦手」という方も、症状や体質に合った漢方薬を毎日飲むだけなので、手間なく気軽に継続できます。

<しびれに悩む女性におすすめの漢方薬>

桂芍知母湯(けいしゃくちもとう):体力があまりなく、めまいなどがある方向けの漢方薬です。手足のしびれやこわばりを感じる方に用いられます。痛みを和らげ、からだを温めるなどの作用があります。

桂枝加朮附湯(けいしかじゅつぶとう):体力が虚弱な方向けの漢方薬です。関節痛や神経痛、手足が冷える、こわばる、汗が出るなどといった症状に用いられます。

当帰四逆加呉茱萸生姜湯(とうきしぎゃくかごしゅゆしょうきょうとう):体力が中等度以下で手足の冷えを感じる方に処方されます。からだの末端まで温め、月経痛などにも用いられます。

ただし、漢方薬を選ぶ際には自分の体質に合ったものを選ぶことが大切です。体質に合っていない場合は、効果が出ないだけでなく、副作用がおきることもあります。購入時には、できる限り漢方に精通した医師、薬剤師等にご相談ください。

お手頃価格で不調を改善したい、という方には医薬品の漢方がおすすめ。スマホで気軽に専門家に相談できる「あんしん漢方」のような新しいサービスも登場しています。AI(人工知能)を活用し、漢方のプロが効く漢方を見極めて自宅に郵送してくれる「オンライン個別相談」が話題です。

4.更年期の手のしびれから開放されて悩みのない生活を!

手指のトラブルは生活そのものにも影響を与え、仕事や家事などの作業に支障をきたすことがあります。今回ご紹介したように、更年期の手のしびれには専門家に相談して漢方薬を用いるのもひとつです。手のしびれをはじめとする更年期の不調を改善し、悩みのない生活をとり戻しましょう!

<この記事を書いた人>


医師 木村 眞樹子
医学部を卒業後、循環器内科、内科、睡眠科として臨床に従事。妊娠、出産を経て、産業医としても活動するなかで、病気にならない身体をつくること、予防医学、未病に関心がうまれ、東洋医学の勉強を始める。臨床の場でも東洋医学を取り入れることで、治療の幅が広がることを感じ、西洋薬のメリットを活かしつつ漢方の処方も行う。また、医療機関で患者の病気と向き合うだけでなく、医療に関わる人たちに情報を伝えることの重要性を感じ、webメディアで発信も行なっている。
●あんしん漢方(オンラインAI漢方): https://www.kamposupport.com/anshin1.0/lp/?tag=221432a9sera0050

記事内に登場した「あんしん漢方」とは?
「お手頃価格で不調を改善したい」「副作用が心配」というお悩みをお持ちの方のために、医薬品の漢方を、スマホひとつでご自宅にお届けするサービスです。AI(人工知能)を活用し、漢方のプロが最適な漢方を選別。オンラインでいつでも「個別相談」可能。しかも「お手頃価格で」ご提供。相談は無料。
●あんしん漢方(オンラインAI漢方)

 

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