親から「勉強しなさい」と言われずに育った人はほとんどいないだろう。だが、成人して社会人になった現在、その「勉強」は本当に役にたっているだろうか?
リーダーシップとマネジメントに悩む、マネジメント課題解決のためのメディアプラットホーム「識学総研」から、本当に価値がある勉強した「知識」について考察してみよう。
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勉強したその「知識」、本当に価値がありますか?
「色々な本を読んで勉強しなさい」「各種セミナーに行って新しいインプットを入れてきなさい」
このような発言をよく耳にします。確かに、インプットは大切です。しかし、せっかく収集したその「知識」は仕事の役に立つ価値ある知識でしょうか。もしかしたら価値のない知識、それどころか行動を阻害する原因となっているかもしれません。
知っているだけでは、否定する材料にしか使えない
日々の業務で知識が求められ、「本は年間50冊は読んでいる」「○○教授の○○理論について勉強した」など、日々情報収集しているビジネスマンが多く存在します。
しかし、インプットばかりでアウトプット(実践・行動)ができていない人も多いのではないでしょうか。
大量の知識をインプットばかりすることで、理屈ばかりで行動が伴わない「頭でっかち」な状態になってしまうことがよくあります。「頭でっかち」ということは知識に実体験が伴っていないため、その知識が現実離れしていて、机上の空論となっている可能性があります。
評論家的な発言を繰り返す社員を想像するとわかりやすいでしょう。
知識が多すぎるがゆえに思考に時間がかかって行動が遅い人。
実体験のない知識は判断やそれに伴う行動を阻害する要因となり、結果、業務にも悪影響を及ぼしてしまいます。
また、「頭でっかち」な状態では、実体験によって手にすることができる”具体性”を有しないため、理論の比較やリスク説明などの知識披露となり、せっかくの知識が人の意見を否定するための材料にしかならない結果となります。これではせっかく得た知識も「価値がある」とはとてもいえません。
そして、これらは、「もっと本を読んで勉強しなさい」といったリーダーの発言が起因している可能性があるのです。
「知識」に「経験」が伴わないと価値がない
知識を成長の糧とするには、経験が必要です。価値ある知識とは、知識を得ただけでなく自分なりに使うことができ、自分の能力とすることで初めて価値があるといえます。
つまり、行動が鈍い部下に対して上司は、「いいからやりなさい」と発言し、強制的に行動させること=経験を積ませる事が重要になるということです。
「知っている」ということと「できる」ことは全く違います。情報収集だけして知識だけ詰め込めばいいというものではないのです。
インプットだけではなくアウトプット(実践)を行い、実際に自分なりに使えて「知識が初めて価値ある状態になった」といえます。
得た知識の全てが必ずしも自分にとって実践できるとは限りません。そのため、実践した結果、自分には使えないものだと判断すれば今後使用しなければいいのです。取捨選択のためにも、インプットとアウトプットを必ずセットとし、知識を得たら実際に使ってみることが重要です。
知っているだけの知識に価値はありません。その知識を自分で使えるようになって初めて価値があるのです。そのため、会社にとって必要な知識は勉強だけするのではなく、得た知識を必ず実践する、これを徹底することが重要です。
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いかがだっただろうか。「勉強」とは「学び方」を学ぶ、そして、知識を実践する、ということが重要である、ということがおわかりいただけただろうか。
引用:識学総研 https://souken.shikigaku.jp/