とにかくカッとなり声を荒立ててしまう、イライラした後に落込む、急に顔が熱くなる、汗が止まらない、どうしてこんなに頭が痛いの? など、30~40代の「プレ更年期」や、40~50代の「更年期」の女性には、自分ではどうにもならない不調が現れるもの。

実は、その不調には漢方がよく効くことをご存知でしたか?

私の不調にも漢方が効くのか知りたい! どうすれば根本解消できるの? そんな女性たちの疑問を、漢方の専門家に解説してもらいます。

第47回のテーマは、「腰痛」です。医師の木村眞樹子さんに教えてもらいました。

1.『もう婆さんだな』腰痛のつらさを夫はわかってくれない!

英美さん 49歳女性 介護士の方からご質問を頂きました。

「介護士という仕事柄、腰痛には常に悩まされてきましたが、年齢とともに悪化している気がします。同僚に紹介してもらい整体にも通っているのですが、すぐまた痛みが激しくなってしまいます。最近では勤務以外でも痛むときが多くなり困っています。

夫の無理解もストレスになっていて、先日は、椅子から立ち上がり痛む腰をさすりながら『いたたた…』とつぶやいたら、『もう立派なばあさんだな』と言われてしまいました。

おまけに『整体に時間もお金も使いすぎだろ』と冷たく吐き捨てられる始末です。これから腰痛がもっと悪化したらと思うと怖くてたまりません。今からできることはないでしょうか?」

ご質問ありがとうございます。腰痛の症状は仕事とプライベート両方に響いてくるうえに、周囲の理解がないとつらいですよね。

とくに40代以降の女性は腰痛に悩まされている方も多く、 その理由は加齢だけでなく更年期にも原因が隠れている場合があります。今回は更年期に起こる腰痛のメカニズムと対処法について、ご紹介していきます。

2.腰痛の原因は更年期の女性ホルモン低下!

腰痛の原因は様々ありますが、更年期を迎えた女性の場合、女性ホルモンのエストロゲンが減少し、欠乏している状態になります。エストロゲンの急激な低下により自律神経が乱れ、血行不良を招き、腰痛の一因になります。

それに加え、ストレスや運動不足も腰痛の原因になります。仕事や家庭のトラブルで心労を抱えている方は要注意です。そして、普段の生活で十分な運動を行っていないと筋力そのものも弱ってしまいます。

それとは別に、生活もままならないような激しい痛みを感じる椎間板ヘルニアや、しびれを引き起こす腰椎すべり症など別の病気が隠れている場合もあり、異常を感じた場合は専門医に診てもらうことが大事です。

3.腰痛を和らげる3つの方法

更年期の不調の治療法のひとつに、ホルモン補充療法があります。これは、不足しているエストロゲンを薬で補い、ホルモンバランスの乱れを和らげていく方法です。 効果もありますが、同時に副作用などのリスクもありますので、通院して治療する必要があります。

ホルモン療法は怖いという方や、通院する時間がないという方には、漢方の考え方によるアプローチがおすすめです。

3-1.軽めのストレッチ

無理のない範囲で適度なストレッチ運動を行うと、腰痛の痛みを軽減できます。仰向けに寝て、片脚をくの字に曲げ、両手で膝を抱えます。その状態で脚を胸に引きつけ、5秒間ほどキープしましょう。
これを10回、左右両脚行います。

腰回りの筋肉のストレッチもご紹介します。
仰向けに寝た状態で、片脚を上げ、膝裏を両手で抑えながら、ゆっくり膝を伸ばします。
これも5秒間、左右10回ずつ行います。

あくまでも負担がかからない程度に軽めに行うことが肝心です。腰や脚に痛みを感じるようなら、すぐに中断しましょう。

3-2.からだに歪みを起こさない姿勢

長時間、同じ姿勢をとるのは腰にとってよくありません。とくに立ち仕事の場合はなかなか自己都合で休みをとりづらく、痛みが悪化する原因にもなります。

正しい姿勢を意識することが大事です。立っている場合はあごを引く、下腹を引っ込める、背筋や膝を伸ばし、脚を開く幅は肩幅よりもやや狭くすることを意識しましょう。きれいな姿勢をとるだけでも負担が軽減されます。座っている場合も同様です。あごを引き、背筋はきちんと伸ばしましょう。

重い物を持たないなど、普段から腰をいたわる生活を意識することもとても大事です。また、偏った姿勢もからだを歪ませる原因になります。ほおづえをつく、片脚に重心をかけるなど、悪い姿勢は腰にとってもよくありません。

3-3.漢方薬で腰痛の改善を目指す

「西洋薬は副作用が心配」「繰り返す腰痛を何とかしたい」

そんな方には漢方薬がおすすめです。
「腰痛」「しびれ」「関節痛」「神経痛」などにも、医薬品として効果が認められている漢方薬がいくつもあります。
漢方薬は自然の生薬を組み合わせて作られており、 一般的に西洋薬よりも副作用が少ないと言われています。また、症状の緩和だけではなく、体質の改善に働きかけることで根本的な解決を目指すので、同じ症状を繰り返したくないという思いに応えてくれます。

バランスのとれた食事や運動などを毎日続けるのは苦手という方も、症状や体質に合った漢方薬を毎日飲むだけなので、手間なく気軽に継続できます。

腰痛に悩む女性におすすめの漢方薬をご紹介します。

<腰痛に悩む女性におすすめの漢方薬>

五積散(ごしゃくさん):腰痛や関節痛の方に用いられる漢方薬です。月経痛や更年期で悩む方にも処方されます。

疎経活血湯(そけいかっけつとう):体力が中等度の方向けの漢方薬です。腰痛や神経痛、筋肉痛に用いられ、手足の痛みや肩こりにも幅広く使用されます。

当帰四逆加呉茱萸生姜湯(とうきしぎゃくかごしゅゆしょうきょうとう):体力が中等度以下の方向けの漢方薬です。腰痛に用いられる他、冷え症やしもやけにも使われます。

ただし、漢方薬を選ぶ際には自分の体質に合ったものを選ぶことが大切です。体質に合っていない場合は、効果が出ないだけでなく、副作用が起こることもあります。購入時には、できる限り漢方に精通した医師、薬剤師などにご相談ください。

お手頃価格で不調を改善したい、という方には医薬品の漢方がおすすめ。スマホで気軽に専門家に相談できる「あんしん漢方」のような新しいサービスも登場しています。AI(人工知能)を活用し、漢方のプロが効く漢方を見極めて自宅に郵送してくれる「オンライン個別相談」が話題です。

4.腰痛から開放されて痛みのない生活を!

腰痛の悩みを抱えていると、痛みのつらさから精神的にも滅入ってしまいがちです。今回ご紹介したセルフケアでの対処法や、漢方薬でしっかり改善していきましょう。
その際には、自分に合った漢方薬を専門家に選んでもらうことが大事です。腰痛を改善して、仕事や家庭を充実させていきましょう!

<この記事を書いた人>


医師 木村 眞樹子
医学部を卒業後、循環器内科、内科、睡眠科として臨床に従事。
妊娠、出産を経て、産業医としても活動するなかで、病気にならない身体をつくること、予防医学、未病に関心がうまれ、東洋医学の勉強を始める。
臨床の場でも東洋医学を取り入れることで、治療の幅が広がることを感じ、西洋薬のメリットを活かしつつ漢方の処方も行う。
また、医療機関で患者の病気と向き合うだけでなく、医療に関わる人たちに情報を伝えることの重要性を感じ、webメディアで発信も行なっている。
●あんしん漢方(オンラインAI漢方): https://www.kamposupport.com/anshin1.0/lp/?tag=221432a9sera0047

記事内に登場した「あんしん漢方」とは?
「お手頃価格で不調を改善したい」「副作用が心配」というお悩みをお持ちの方のために、医薬品の漢方を、スマホひとつでご自宅にお届けするサービスです。AI(人工知能)を活用し、漢方のプロが最適な漢方を選別。オンラインでいつでも「個別相談」可能。しかも「お手頃価格で」ご提供。相談は無料。
●あんしん漢方(オンラインAI漢方)

 

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