とにかくカッとなり声を荒立ててしまう、イライラした後に落込む、急に顔が熱くなる、汗が止まらない、どうしてこんなに頭が痛いの? など、30~40代の「プレ更年期」や、40~50代の「更年期」の女性には、自分ではどうにもならない不調が現れるもの。
実は、その不調には漢方がよく効くことをご存知でしたか?
私の不調にも漢方が効くのか知りたい! どうすれば根本解消できるの? そんな女性たちの疑問を、漢方の専門家に解説してもらいます。
第38回のテーマは、「抜け毛の悩み」です。あんしん漢方の監修医である木村 眞樹子先生に教えてもらいました。
1.帽子で頭を隠して外出…突然増えた抜け毛に恐怖
柳瀬さん(46歳)会社員、女性の方からご質問を頂きました。
「営業の仕事をしています。この仕事も長いのでそれなりに楽しくやっています。最近はリモートワークが増え、自宅にいることが多くなりました。すると、今まで気にならなった家の散らかりやほこりが目につくようになりました。床掃除をしていると、とくに多いのが髪の毛。その量にぎょっとします。
そういえばこのところ、お風呂で洗髪していても排水溝が詰まることが急に増えました。ドライヤーで乾かしていても洗面台にびっくりするほど髪の毛が落ちるんです。今ではブラシで髪の毛をとかすのが怖いです。見た目にも髪の毛が薄くなってきたと感じられ、見た目が気になって外出時には帽子をかぶるようになりました。
シャンプーが合っていない?ストレス?何かの病気では?原因をいろいろ考えてみるのですが、いまいちピンときません。髪の毛の悩みって、恥ずかしくてだれにも相談できなくて。助けてください」
ご質問ありがとうございます。
抜け毛、薄毛の悩みは男性特有のものと思われがちなため、女性はとくに人に相談しづらかったり、病院や薬局に行くのもハードルが高かったりしますよね。
抜け毛の原因は生活習慣の乱れであったり、カラーリングやパーマによる髪への負担、季節的なものであったりと人それぞれです。とくに更年期に差し掛かった女性の場合、その原因はホルモンが大きく関係していることが多いのです。
2.その抜け毛はホルモンバランスの乱れが原因かも
女性は40代から50代で閉経を迎え更年期に入ると、ホルモンバランスが崩れ、エストロゲンという女性ホルモンが一気に減少していきます。エストロゲンは髪にハリやコシを与えてくれるものなので、これが減っていくことで髪の毛が細く弱くなり、結果的に抜けやすくなるのです。
漢方では髪の毛を「血余(けつよ)」と呼びます。髪は全身を巡る血液が余ったものからなっていると考えられているためです。
また「腎」が髪の状態を管理していると考えられているため、「腎」の働きの弱い人や「血」の状態が悪い人はハリやコシがなくなり、抜け毛だけでなく白髪や細毛といった髪のトラブルが発生しやすくなるといわれています。
3.更年期の抜け毛トラブルは3つのポイントで解決
更年期の抜け毛の予防や改善として使用される西洋薬には、女性ホルモンを補充する薬や、もともとが降圧薬の副作用を利用して治療薬になった薬があります。効果はありますが、それと同時に副作用のリスクもあるため、定期的な医師の診察が必要です。
抜け毛というお悩みに対して通院に抵抗がある方は、ご自身で手に入れることも可能な漢方薬がおすすめです。また、漢方薬は西洋薬に比べ、比較的副作用が少ないとされています。
3-1.髪に必要な成分を摂る
髪の毛は主にケラチンという成分でできており、もともとはたんぱく質から作られています。たんぱく質は肉、魚、卵、大豆、乳製品に多く含まれますが、女性のホルモンバランスの乱れによる抜け毛の改善には、とくに大豆がおすすめです。
大豆にはイソフラボンやサポニンといった髪に良い成分が含まれているほか、大豆には女性ホルモン様作用があるため、不足した女性ホルモンに変わる役割を担ってくれるでしょう。
また、カルシウムを含む魚や乳製品も髪に必要な栄養なので、意識して多く摂るようにしましょう。
さらに、漢方では「血」を補う食材として、くこの実やなつめ、アーモンド、桑の実といったドライフルーツやナッツ類が髪に良いとされています。わかめや昆布といった海藻類、黒ゴマや黒豆もおすすめです。
3-2.マッサージで抜け毛対策
頭皮の血行を良くすることは髪の毛のハリやコシ、ツヤが保たれ、抜け毛予防になります。ストレスも自律神経や頭皮の血流に影響するので、なるべく十分な睡眠時間を取り、ストレスをためない生活を心がけましょう。
頭皮の血流を良くするためには、肩や首まわりのストレッチが効果的です。ぬるめのお風呂にゆっくり浸かるのもいいでしょう。
さらに、頭皮を直接マッサージする方法もあります。頭皮のマッサージでは、血流を頭頂部に向かって流していくイメージで軽く圧迫していきしょう。頭頂部のマッサージは、両手の指を立てて前後にずらすようにして頭皮を動かします。
3-3.漢方で抜け毛体質の改善を目指す
女性ホルモンの乱れが原因である更年期の抜け毛のお悩みには、漢方薬がおすすめです。
「血を補う働き」「腎を補う働き」をもつ漢方薬は何種類もあります。
漢方は人間のからだの営みに即した、自然の摂理を利用した治療法です。自然の恵みである動植物や鉱物の有効成分を見出して、それを人間の心身の症状の改善に役立てるために、長い歴史を経て確立されたものが漢方医学です。
からだにやさしい成分で構成された薬のため、一般的に西洋薬よりも副作用は少ないといわれています。
そして、漢方薬は表面に出ている症状や苦痛を緩和する対症療法だけでなく、不調の原因となっている体質を改善することを目的にしている点が特徴です。体質そのものに働きかけるため、根本的な解決につながります。
そのため、同じ症状を繰り返したくないという思いにも応えてくれるでしょう。
バランスの良い食事や適度な運動を実践するのは難しい…という場合も、漢方薬なら、ご自身の症状や体質に合うものを毎日飲むだけです。そのため、どなたでも無理せず継続することが可能です。
<抜け毛で悩む方におすすめの漢方薬>
髪のもととなる血液を補います。虚弱体質向けです。
・八味地黄丸(ハチミジオウガン):疲れやすく、四肢の冷えやすい方に
髪と深く関わりがある腎を補います。泌尿器のトラブルや腰痛などの不調もあるひとに向いています。
・黄連解毒湯(オウレンゲドクトウ):のぼせ気味でイライラしやすい方に
からだの中に滞った熱と湿気を取り去ります。暑がりで比較的体力のある方に向いています。
ただ、漢方薬はその人の体質に合っていてこそ効果が現れるものです。体質に合っていないと、効果が見込めないだけでなく、副作用が起こることもあります。
とはいえ、自分に合う漢方薬を選ぶのはなかなか難しそうですよね。身近に相談場所ない場合、最近では、漢方に精通した薬剤師がA Iを利用した「あんしん漢方(オンラインA I漢方)」などのサービスも充実してきているので、こうした専門的なサービスを利用するのもいいでしょう。
効果と安全性が認められている漢方薬を生活に取り入れてみてはいかがでしょうか?
4.抜け毛の悩みには漢方もおすすめ!
髪の毛はその人の健康状態を表すといわれています。更年期が原因の抜け毛は、食生活を意識したり、睡眠やマッサージなどでホルモンバランスを整えたりすることで進行を抑えることができます。
さらに、漢方薬を取り入れることで女性でも気軽に抜け毛予防ができます。自分に合った対策を無理なく続けていくことが健康な髪への近道といえるでしょう。
<この記事を書いた人>
医師 木村 眞樹子
医学部を卒業後、循環器内科、内科、睡眠科として臨床に従事。
妊娠、出産を経て、産業医としても活動するなかで、病気にならない身体をつくること、予防医学、未病に関心がうまれ、東洋医学の勉強を始める。
臨床の場でも東洋医学を取り入れることで、治療の幅が広がることを感じ、西洋薬のメリットを活かしつつ漢方の処方も行う。
また、医療機関で患者の病気と向き合うだけでなく、医療に関わる人たちに情報を伝えることの重要性を感じ、webメディアで発信も行なっている。
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