とにかくカッとなり声を荒立ててしまう、イライラした後に落込む、急に顔が熱くなる、汗が止まらない、どうしてこんなに頭が痛いの? など、30~40代の「プレ更年期」や、40~50代の「更年期」の女性には、自分ではどうにもならない不調が現れるもの。
実は、その不調には漢方がよく効くことをご存知でしたか?
私の不調にも漢方が効くのか知りたい! どうすれば根本解消できるの? そんな女性たちの疑問を、漢方の専門家に解説してもらいます。
第40回のテーマは、「喉の違和感」です。医師の木村眞樹子先生に教えてもらいました。
1.喉の不調! 好きなカラオケもおとり寄せグルメも楽しめない…
美菜子さん 51歳女性、パートの方からご質問を頂きました。
「ここ最近、喉の奥がいつもイガイガしているような違和感があります。何かを飲み込む時もつかえるような感じがするし、水を飲んでも詰まり感が治りません。季節性のものかと思っていましたが、年中続いているのでさすがに気になってきました。
私の趣味はカラオケでストレス発散することなのですが、歌うときに気分が滅入っているといくら好きな歌でも気持ちよくなく、心から楽しめないので困っています。主人が高級なお取り寄せグルメを注文してくれたときも、喉が気になってしっかり味わうことができませんでした。
他人からしたら些細な悩みかもしれませんが、私にとっては重大な悩みで本当に落ち込んでいます。このような喉の違和感、いったい何が原因なのでしょうか?」
ご質問ありがとうございます。喉は食事や発声などで必ず使う部位で、生きる上でとても重要な器官なので、少し不調が起きただけでもストレスになり、つらいですよね。
美菜子さんの症状はずっと続いているということですが、それは更年期による症状かもしれません。
2.その喉の違和感、イガイガは更年期症状?
物がつかえる、異物感がある、喉が狭くなったように感じて苦しい…。このような咽喉頭の違和感があるのに、消化器科や耳鼻咽喉科で検査しても何も異常はないと言われる。こういった状態を総称し「咽喉頭異常感症」といいます。別名ヒステリー球とも呼ばれ、更年期の症状として代表的なもののひとつです。
そして、比較的、女性に起きやすい症状といわれています。これは、更年期を迎えると女性ホルモン分泌のバランスが乱れるためで、その急激な変動が肉体だけでなく精神的にも大きな影響を与えます。不安やストレスの積み重ねが悪循環となり、症状の原因になる場合もあります。
更年期前後は人生にも大きな変化が訪れる時期です。子どもが独立し、定年退職した夫と常にふたりきりになる。親や友人との別れ。近隣住民との関係。生活におけるストレスは様々ですが、些細なことでも肉体的、精神的な不調が重なり、それが大きくのしかかってしまう…というケースが更年期の女性には多く見られます。
漢方医学では、このような喉の違和感は、気のめぐりが悪い状態「気滞」によって起こると考えます。気が逆上して咽頭を塞いでしまうことが、喉の違和感の原因となるのです。ストレスは気滞を悪化させる原因となるため、リラックスして気のめぐりをよくするようなケアが必要です。
3.更年期の喉の違和感を和らげる4つのセルフケア
更年期の不調の治療法のひとつに、ホルモン補充療法があります。これは、不足しているエストロゲンを薬で補い、ホルモンバランスの乱れを和らげていく方法です。 効果もありますが、同時に副作用などのリスクもありますので、通院して治療する必要があります。
ホルモン療法は怖いという方や、通院する時間がないという方には、漢方の考え方によるアプローチがおすすめです。
3-1.しっかりと睡眠をとる
基本的なことですが、睡眠はからだを休めるだけでなく、心をリラックスさせる効果もあります。睡眠不足が続いてしまうと不安、焦燥感、イライラなど、ストレスがより溜まりやすい状態になってしまいます。
心地よく質の高い睡眠をとるには、睡眠導入にも気を遣いましょう。就寝前のお風呂はオススメですが、すぐに布団に入るとかえって寝つけなくなるので、少なくとも就寝1時間前には済ませておきましょう。
お気に入りのアロマを用意して寝室をリラックスしやすい香りで満たすのもいいでしょう。ラベンダー、クラリセージ、スイートオレンジなど安眠に効果のあるアロマを活用すると、スッキリと深い睡眠に入れます。
3-2.激しすぎない適度な運動
からだを動かし、ストレス発散すると更年期の症状もいくらか改善できるでしょう。適度な量の運動を習慣的に行うと、からだも健康的になり一石二鳥です。ウォーキング、ジョギングは日々の喧騒から少し離れ自分だけの時間を作るのに最適です。
ヨガやピラティスも軽めの運動としては最適です。YouTubeなどの動画サイトには無料で見られる女性向けのヨガ、ピラティス動画もたくさんあります。ほんの10分でも習慣化すると無理なく続けることができます。
3-3.生活周辺のストレスをとり除く
具体的なストレス原因を探り、とり除くということも更年期症状を緩和することにつながります。自分だけで抱え込むのではなく、心療内科でカウンセリングを受けるという手段もあります。
意外なことが原因でストレスを抱えている場合もあります。ただ話を聞いてもらうだけでもだいぶ精神状態が楽になるので、選択肢のひとつとして考えておくのもいいでしょう。
3-4.漢方で体質改善する!
「西洋薬は副作用が心配」「一度飲み始めたらやめられないのではないかと不安」
そんな方には漢方薬がおすすめです。 一般的に、漢方薬は自然にある生薬を組み合わせて作られており、西洋薬よりも副作用が少ないといわれています。
また、症状の緩和、苦痛を和らげるための対症療法ではなく、体質の改善に働きかけることで根本的な解決を目指すので、同じ症状を繰り返したくないという思いに応えてくれます。
バランスのとれた食事や運動などを毎日続けるのは苦手という方も、症状や体質に合った漢方薬を毎日飲むだけなので、手間なく気軽に継続できます。
更年期の喉の違和感には、気をめぐらせて気分を落ち着かせる効果のある漢方薬を用います。
以下に、喉の違和感に悩む女性におすすめの漢方薬をご紹介します。
<喉の違和感に悩む女性におすすめの漢方薬>
・柴朴湯(さいぼくとう):喉の閉塞感のほか、気分が落ち込む、不安神経症などの方に用いられる漢方薬です。動悸、めまいなどの咳症状の方にも処方されます。
・柴胡桂枝乾姜湯(さいこけいしかんきょうとう):体力があまりない方向けです。口が渇く、貧血気味、動悸や息切れがある方に処方されます。更年期障害などに用いられる漢方薬です。
ただし、漢方薬を選ぶ際には自分の体質に合ったものを選ぶ事が大切です。体質に合っていない場合は、効果が出ないだけでなく、副作用が起こることもあります。購入時には、できる限り漢方に精通した医師、薬剤師などにご相談ください。
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4.喉の違和感を解消してストレスのない毎日を!
更年期によるからだの不調のなかでも、喉の症状はとくに困ります。食事、発声などが思うようにできないとストレスが溜まってしまいます。また、喉の違和感には精神的な要因も関係している場合が多いです。
今回紹介した対処法を用いてストレスや不安の解消につとめ、ホルモンバランスや精神を整えていきましょう。セルフケアや漢方の力を借り、つらい喉の違和感をスッキリとさせられるといいですね。
<この記事を書いた人>
医師 木村 眞樹子
医学部を卒業後、循環器内科、内科、睡眠科として臨床に従事。
妊娠、出産を経て、産業医としても活動するなかで、病気にならない身体をつくること、予防医学、未病に関心がうまれ、東洋医学の勉強を始める。
臨床の場でも東洋医学を取り入れることで、治療の幅が広がることを感じ、西洋薬のメリットを活かしつつ漢方の処方も行う。
また、医療機関で患者の病気と向き合うだけでなく、医療に関わる人たちに情報を伝えることの重要性を感じ、webメディアで発信も行なっている。
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