流通している日本酒の多くは、秋に収穫されたお米を使い、冬の時期に造られています。
しぼりたての日本酒が出回るこの時期には、清酒もろみを絞った際に出る酒粕もできたてのものが並びます。
酒粕にはうま味成分が豊富に含まれており、料理に活用することで風味が増します。
少ない塩分でも満足のいく味付けに仕上がる、まさに減塩調理の強い味方。
今回は酒粕を使った減塩レシピをご紹介します。
酒粕入り豚汁
【材料】(1人分)
豚バラ肉 50g
大根 1cm
人参 1/4本
ごぼう 1/4本
水 100cc
味噌 小さじ2/3
酒粕 10g
ごま油 小さじ1/2
七味 お好みで
【作り方】
1.大根、人参は5mm程度のいちょう切りに、ごぼうはささがきにする。
2.鍋にごま油を熱し、豚バラ肉を炒める。8割ほど火が通ったら1を入れさらに炒める。
3.5分ほど炒めたら水を加え、ふたをし弱火で10分煮る。
4.火を止め、味噌、酒粕を加え溶かす。うつわに盛り、七味を振って完成。
酒粕や味噌などの発酵食品は加熱に弱いため、火を止めて最後に加えましょう。
長時間煮立たせないことがポイントです。
風味も飛ばずに、少量の粕漬けで香りと優しい甘さがプラスされた豚汁です。
粕汁ほどたくさんの酒粕を加えていないので、粕汁が苦手な方も食べやすく仕上がっています。
お好みで七味を加えて召し上がって下さい。
酒粕以外にもごま油のコク、七味の香りなどで減塩しており、インスタントの豚汁と比較し、約1/4の塩分に抑えています。
野菜をたくさん入れることで、余分な塩分を排出するカリウムも一緒に補っています。
食卓に汁物は欠かせないけど塩分が気になる、という方はぜひ試してみて下さいね。
食塩相当量:0.6g
鶏肉と里芋の酒粕味噌グラタン
【材料】(1人分)
鶏こま肉 50g
里芋 150g
ピザチーズ 20g
無調整豆乳 100cc
味噌 小さじ1
酒粕 30g
オリーブオイル 小さじ1/2
【作り方】
1.里芋は皮を剥き、5mm程度の半月切りにする。
2.鍋にオリーブオイルを熱し、鶏こま肉を炒める。
3.火が通ったら火を止め、一度取り出す。同じフライパンに里芋、豆乳を加え、弱火で煮る。
4.混ぜながら里芋を潰していく。
5.里芋が半分くらい潰れ、ソースにとろみがついたら鶏肉、味噌、酒粕を加え火を止める。
6.耐熱皿に5を入れ、ピザチーズをのせオーブントースターで5分焼く。
7.チーズが溶けたら完成。
里芋のねっとり感と酒粕のコクがポイントの和風グラタンです。
ホワイトソースやバターは使わず、里芋や酒粕でとろみをつけてカロリーダウンもしています。
酒粕にはたんぱく質やビタミンなどが含まれていますが、食物繊維が100gあたり5.2g含まれているのが特徴です。
里芋と合わせて、このレシピ1人分で一日に必要とされる食物繊維のうち、約1/4を補うことができます。
食塩相当量:1.1g
* * *
酒粕は野菜や肉・魚との相性も抜群。
酒粕に味噌、酒を加えて漬け込めば、おうちで本格的な粕漬けが楽しめますよ。
文/矢崎海里(やざき・かいり)
管理栄養士やフードスペシャリストなどの資格を生かし、企業で働く傍ら、Webメディアでも活動。おいしく食べて健康になれるごはんを研究中。