とにかくカッとなり声を荒立ててしまう、イライラした後に落込む、急に顔が熱くなる、汗が止まらない、どうしてこんなに頭が痛いの?など、30~40代の「プレ更年期」や、40~50代の「更年期」の女性には、自分ではどうにもならない不調が現れるもの。
実は、その不調には漢方がよく効くことをご存知でしたか?
私の不調にも漢方が効くのか知りたい!どうすれば根本解消できるの? そんな女性たちの疑問を、漢方の専門家に解説してもらいます。
第30回のテーマは、「吐き気」です。あんしん漢方の顧問である、西大條 文一先生に教えてもらいました。
1.大事な会議で突然の吐き気…このままでは人生もめちゃくちゃに!
前島さん 52歳女性 会社員の方からご質問を頂きました。
「最近、急に気持ちが悪くなり、吐き気を催すことが多くて困っています。脂っこいものを食べたり、暴飲暴食しているわけではないのに胃がムカムカして気持ち悪く、この症状が続いています。
営業の仕事をしているのですが、取引先との打ち合わせや社内会議の途中で急に気持ち悪くなり、吐き気を催してトイレに駆け込むことも何度かありました。
大事な打ち合わせ中に吐き気を催して退座したこともあって、取引先の方にも嫌な顔をされてしまいました。このままでは評価や出世にも直接響きそうです。夢を持って仕事をやって来たのに、このまま吐き気のせいで仕事ができなくなってしまうのではないかと心配でたまりません…」
「仕事だけではなく、当然プライベートでも吐き気の症状は続き、家事すらろくにこなせないくらいにダウンしてしまうこともあります。
自分でコントロールができない吐き気にひどく困っています。なぜこんなに気持ち悪い症状が続くのでしょうか?何か重大な病気かと悩んでいます」
吐き気の症状は苦しいうえに、周囲にも迷惑をかけやすく、つらいですよね。「ただ自己管理ができていない、だらしない人」というレッテルを貼られてしまう場合もあり、他人の無理解がさらに悩みを深くしてしまいます。
50歳前後の女性の場合、こういった吐き気の症状は更年期が影響している可能性があります。
2.吐き気は更年期の女性の大きな悩みのひとつ
胃腸の調子が悪くなり、働きが鈍くなるのは更年期の症例のひとつです。過度な暴飲暴食をしているわけではないという前島さん。普通の食生活をしているのに胃もたれや食欲不振、胃がムカムカする、吐き気を催すなどといった症状が起きているそうです。更年期による症状の場合、このような吐き気の症状は、自律神経と深い関係があります。
女性の卵巣にある卵胞。思春期・生殖年齢には約20~30万個ありますが、50歳になるとおよそ数千個にまで減少します。更年期には卵巣の機能も衰え、エストロゲンやプロゲステロンなどの分泌も減り、その影響が出てきます。
女性ホルモンの分泌バランスが乱れると、自律神経のコントロールが上手くいかなくなります。交感神経と副交感神経の切り替えが上手く行かなくなると、胃の調子が悪くなったり、吐き気が起きたりすることがあるのです。また、ストレスなど精神的な要因も関わりがあります。
ただ、胃腸の不調は潰瘍など別の原因が関わっている場合もありますので、吐き気などの異常を感じたら、まずは一度医療機関を受診し、医師の診断の元、正しい治療を行いましょう。
3.吐き気を解消する4つの方法
更年期の不調の治療法のひとつに、ホルモン補充療法があります。これは、不足しているエストロゲンを薬で補い、ホルモンバランスの乱れを和らげていく方法です。 効果もありますが、同時に副作用などのリスクもあります。また、通院して治療する必要があるのもデメリットです。
ホルモン療法は怖いという方や、通院する時間がないという方には、漢方の考え方によるアプローチがおすすめです。
ここからは、身近でできる養生法をご紹介します。簡単にできる、吐き気を解消する4つの方法をご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
3-1.ツボ押しで気分を解消
手軽に吐き気を解消する方法として有効なものが「ツボ押し」です。みぞおちとへその間にある「中脘(ちゅうかん)」は、胃と繋がりのあるツボです。吐き気のほかに、膨満感、むかつきにも効果があるといわれています。
手のひらの中央のくぼみ、「労宮(ろうきゅう)」は、食欲不振、吐き気に効くというツボ。また、手首の内側のシワの指3本分下にある「内関(ないかん)」というツボは胃の痛み、むかつきを改善し、リラックスさせる働きがあるとされています。
これらのツボを押す場合は、気持ちいいと感じる強さで30回ほど押したり揉んだりしましょう。こういったツボを上手く活用して、吐き気の改善に努めましょう。
3-2.口のなかを清潔に保つ
口内が不潔だと不快感も増し、吐き気に繋がります。食後に具合が悪くならないよう食事前にうがいをするなど、口内をすっきりさせるタイミングも大事です。
また、吐き気は精神的な部分が影響する場合もあるため、気分がさっぱりとする口腔ケアは効果的です。レモン水、番茶のほか、炭酸水などもおすすめです。吐き気が治まることもあるので、試してみましょう。
そして、食事は一度に多くのものを食べるよりも、小分けに摂ることも大事です。いきなり大量の食物が胃に入ると、不快感につながりやすくなります。量はそのままで食事回数を増やすなど、食事を分散してみましょう。
3-3.イソフラボンを摂取する
イソフラボンはエストロゲンに似た働きを担ってくれるので、女性ホルモンが減少している更年期の女性にとって欠かせないものです。
大豆イソフラボンは豆腐や納豆、豆乳、油揚げなどに含まれます。一般的な食材に含まれるので非常に摂取しやすく、価格的にもリーズナブルで食卓に上がりやすいのが特徴です。
大豆加工食品、大豆加工補助食品などを利用し、賢くイソフラボンを摂取し、女性ホルモンの働きをアップさせましょう。
3-4.漢方の力で吐き気の改善をめざす
「西洋薬は副作用が心配」
「一度飲み始めたらやめられないのではないかと不安」
そんな方には漢方薬がおすすめです。
漢方薬は自然にある植物や鉱物などの生薬を組み合わせて作られているため、 一般的に西洋薬よりも副作用が少ないといわれています。
また、漢方薬は症状の緩和、苦痛を和らげるための対症療法ではなく、体質の改善に働きかけることで根本的な解決をめざすので、同じ症状を繰り返したくないという思いに応えてくれます。
バランスのとれた食事や運動などを毎日続けるのは苦手という方も、症状や体質に合った漢方薬を毎日飲むだけなので、手間なく気軽に継続できます。
以下に、吐き気に悩む女性におすすめの漢方薬をご紹介します。
<吐き気に悩む女性におすすめの漢方薬>
吐き気やめまい、頭痛などに悩む方に処方される漢方薬です。急性胃腸炎、下痢などに使われる場合もあります。
・柴胡桂枝湯(さいこけいしとう)
頭痛や吐き気、食欲不振などの方に用いられる漢方薬です。悪寒や胃腸炎などの方にも使われます。
・六君子湯(りっくんしとう)
嘔吐や胃痛、食欲不振などの方に用いられます。消化器系の機能を高める作用があるといわれています。
ただ、漢方薬はその人の体質に合っていてこそ効果が現れるものです。体質に合っていないと、効果が見込めないだけでなく、副作用が起こることもあります。
とはいえ、自分に合う漢方薬を選ぶのはなかなか難しそうですよね。身近に相談場所がない場合、最近では「あんしん漢方」のようなAIを利用した「オンラインA I漢方」などのサービスも充実してきているので、こうした専門的なサービスを利用するのもいいでしょう。
効果と安全性が認められている漢方薬を生活に取り入れてみてはいかがでしょうか?
4.吐き気を改善してストレスのない生活を!
吐き気は仕事だけでなく、プライベートでもストレスになってしまう更年期の悩みのひとつです。更年期の生活をより豊かで楽しいものにするためにも、今回紹介した対処法をはじめ、漢方薬なども取り入れながら、更年期症状の改善をめざしていきましょう!
<監修者>
漢方医 西大條 文一 (にしおおえだ ぶんいち)
金王坂クリニック院長、東方医学会会員、あんしん漢方顧問。古代から現代までの東西の医学史、医療史の研究をベースに、最新の免疫学、微生物学と漢方医学の知識を融合させた治療と臨床研究を行っている。
・金王坂クリニック オンライン外来: https://www.konnozakaclinic.com/service/online/
・あんしん漢方: https://www.kamposupport.com/anshin1.0/lp/?tag=221432a9sera0030
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