文/川口陽海
・デスクワークや運動不足などでろっ骨が固くなりやすい
・簡単なストレッチでろっ骨を柔軟にできる
なかなか治らない慢性の腰痛、本当につらいですよね。
あらゆる治療や体操、運動などしているにも関わらずあまり効果がみられない…。
そのような場合、もしかしたら『ろっ骨の固さ』が原因になっているかもしれません。
今回は、誰でも簡単にできる腰痛改善ストレッチ『ろっ骨ほぐし』をご紹介いたします。
ろっ骨の固さと腰痛
『ろっ骨の固さが腰痛の原因になる』と言われると、意外に感じる方も多いかもしれません。
ろっ骨はご存知のようにその中に肺や心臓などの重要な臓器を収めて守っています。
ろっ骨の間には『肋間筋』という筋肉があり、ろっ骨を拡げたり締めたりすることで肺を動かし、呼吸にも関わっています。
運動不足や長時間のデスクワーク、不良姿勢、睡眠不足、ストレスなどがあると、この肋間筋やろっ骨周囲の筋肉が固くなり、ろっ骨の動きが悪くなってしまいます。
そしてろっ骨の動きが固くなると、次のような影響があらわれ、腰痛が起こることがあるのです。
■背中や腰などの筋肉が固くなる
■背骨の動きが悪くなり、腰に負担がかかる
■呼吸が浅くなり、全身や脳の血行が悪くなる
■姿勢が悪くなる
そしてこのような状態になると、ますますろっ骨の動きが固くなり、さらに周囲の筋肉が固くなり…、という悪循環に陥ってしまいます。
ろっ骨と腰痛については、本連載で以前にも記事にしておりますので、くわしくは以下のページもご覧ください。
腰痛改善ストレッチ 肋骨をゆるめると腰痛が良くなる【川口陽海の腰痛改善教室 第37回】
誰でも簡単にできるろっ骨ほぐし
ろっ骨が固くなってしまっても、簡単なストレッチや体操で柔軟性を取り戻すことができます。
今回は寝ておこなえるろっ骨ほぐしストレッチをご紹介します。
ストレッチをする前に、クッションや座布団、丸めた毛布などをご用意ください。
ヨガマットをお持ちでしたら、半分ほど丸めた状態で使うとちょうど良いと思います。
アスコム『腰痛を治したけりゃろっ骨をほぐしなさい』より
ストレッチ(1)
背中にクッションを当て、仰向けになります。
クッションの位置は上の画像のようにわきの下ぐらいの位置で、両手を横に開きます。
この位置に当てることで自然にろっ骨が開きます。
そのまま身体の力を抜き、楽に大きく深呼吸をしてください。
なるべくろっ骨を大きく開くように息を吸い、楽に吐いていきます。
ゆっくりと10回から20回ほどおこなってください。
※この姿勢で顎が上がり過ぎてしまったり、頭が床につかない場合は枕を入れておこなってみましょう。
※首や肩などに痛みやその他症状がある場合、この姿勢をとると症状が悪化することがありますので、注意しておこなうか、またはこのストレッチをおこなわないでください。
ストレッチ(2)
次に、そこから膝を立て、ゆっくりと左右に倒しながら楽に呼吸を続けます。
10回~20回ほどおこなってください。
足だけを左右に倒すのではなく、脇腹のあたりから大きくひねるように動かし、ろっ骨が動くようにしてください。
ストレッチ(3)
次に、片側に膝を倒したまま、ゆっくり大きく深呼吸をします。
この姿勢で深呼吸をすることで、普段あまり動かないろっ骨の部分に息が入って動くような感覚があると良いです。
5回~10回ほどおこなってください。
片側が終わりましたら反対側も同じようにおこないます。
最後にまた(1)の姿勢に戻って脚を伸ばし、楽に深呼吸を繰り返します。
5回~10回おこなってください。
終わったあとはクッションをはずして仰向けになってみましょう。
ストレッチをする前より呼吸が楽になったり、背中や腰が楽になったりする感覚があると良いです。
このストレッチをおこなうことで痛みが出たり、または痛みのためにこのストレッチ自体ができないようでしたらやめてください。
拙著「腰痛を治したけりゃろっ骨をほぐしなさい」が、全国書店にて発売となっています。
ろっ骨をほぐして腰痛を改善する方法を多数ご紹介しておりますので、お読みいただけると幸いです。
以下の記事でも様々な腰痛・坐骨神経痛改善エクササイズをご紹介しております。
ぜひお読みください。
腰痛改善ストレッチ 肋骨をゆるめると腰痛が良くなる【川口陽海の腰痛改善教室 第37回】
ステイホームで腰痛改善! 腰・骨盤を安定させる体幹インナーマッスルトレーニング【川口陽海の腰痛改善教室 第41回】
自宅で出来る! 腰痛改善トレーニング 骨盤を安定させる大腿・殿部のトレーニング【川口陽海の腰痛改善教室 第40回】
腰痛・坐骨神経痛を自宅で改善!(その2)手軽に出来る3つの殿筋ストレッチ【川口陽海の腰痛改善教室 第39回】
文・指導/川口陽海
厚生労働大臣認定鍼灸師。腰痛トレーニング研究所代表。治療家として20年以上活動、のべ1万人以上を治療。自身が椎間板へルニアと診断され18年以上腰痛坐骨神経痛に苦しんだが、様々な治療、トレーニング、心理療法などを研究し、独自の治療メソッドを確立し完治する。現在新宿区四谷にて腰痛・坐骨神経痛を専門に治療にあたっている。著書に「腰痛を治したけりゃろっ骨をほぐしなさい(発行:アスコム)」がある。
【腰痛トレーニング研究所/さくら治療院】
東京都新宿区四谷2-14-9森田屋ビル301
TEL:03-6457-8616
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