【ひと皿の歳時記~第117回】
六本木『香宮』の「子豚の丸焼き」
日本最大級の料理コンペティションと謳う、「RED U-35」と呼ばれる35歳未満の料理人コンクール2015で、並み居るフランス料理のシェフたちを差し置いて第1位の栄冠に輝いたのが、東京・六本木の中国料理店『香宮(SHANGU)』の料理人、篠原裕幸さんでした。
先日、『香宮』を訪ねたのですが、昨年、上海蟹のシーズンの時に出掛けて以来の再訪でした。今回、篠原シェフが用意してくださったメニューの中で、ことさら目を引いたのが「子豚の丸焼き」とデザートです。
「子豚の丸焼き」と言っても、いただくのは、香ばしく焼き上げられた飴色の皮の部分です。パリリといい音が立ち、皮目と肉の境目の味の良いこと! 中国人は本当に美味しいものに貪欲であることを教えてくれる料理です。
「蒸しスープ」も「ホロホロ鶏塩釜包み焼き」も美味しかったですが、コースの締めのデザートに出た「風船餅」にはびっくりしました。
篠原シェフによると、もち米を砂糖とお湯で溶いて、それを油で揚げたとのことでしたが、シェフの腕には揚げ油による火傷の痕が何か所もついていました。
中国では「煎堆(チントイ)」と呼ぶのだそうですが、見た目と食べた感想から、私が「風船餅」と名付けると、シェフも納得の様子でした。シンプルを極めたデザートの名品です!
店舗情報
店名 | 海鮮名菜 香宮(シャングウ) |
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住所 | 東京都港区西麻布1-4-44 シグマ西麻布II 1F(星条旗通り沿い) |
TEL | 03-3478-6811 |
営業時間 | ランチ 11:30~14:00(L.O.) ディナー 17:30~22:00(L.O.) |
定休日 | 日曜 |
URL | http://www.shangu.jp/ |