【ひと皿の歳時記~第86回】
銀座「Furuta」の鮎の春巻き
岐阜の中華料理の名店が、昨年末、銀座にひっそりとオープンしました。
オーナーシェフの古田さんが一人で腕を振るう、わずか8席のカウンターのみの中華料理店です。
私がこの店を初めて訪れたのが10年ほど前、その時いただいた「冷製ビーフンのキャヴィア添え」と「フカヒレのステーキ」は忘れられない衝撃的な美味しさでした。
二度目に出かけたのが確か夏で、その時には「鮎の春巻き」が登場しました。
地元の自慢の鮎を三枚に下ろし、骨のみに火を通し、その後、鮎をもとの姿に戻して、春巻きにし、揚げたひと皿でした。
それまで、日本料理の鮎の塩焼きに勝る鮎料理はないとまで信じていた私は、あまりの香り高さと持ち味を存分に引き出している調理に脱帽しました。
その後、これを仲間と一緒に楽しみたいと、どれほど岐阜までわざわざ出かけて行ったかしれません。
初夏の訪れとともに、必ず思い出すひと皿です。
冷製ビーフンのキャヴィア添えも、キャヴィアを使った料理では出色のひと皿ではないでしょうか。ビーフンを和える太白の胡麻油が両者を見事に介添えします。
店舗情報
店名 | Furuta |
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住所 | 東京都中央区銀座1-21-14 |
TEL | 03-3535-5550 |
営業時間 | 17:00~22:30(L.O. 20:30)※完全予約制 |
定休日 | 日曜日・月曜日 |