
冷やして軽やかに楽しむタイプは魚や野菜料理と合わせて。果実味がしっかりしたタイプは肉料理と。料理に合わせてセレクトしたい6本。
ザ・ベアタッチ・スリンキーベア・ピノノワール
キーンと冷やしてゴクゴク飲み干したい
アーロン・マーサー(オーストラリア/ニューサウスウェールズ)
淡いルビーの色合いのとおり、口当たりがなめらかで軽快。早摘みのぶどうを使用しているため、アルコール度数も低めでゴクゴク飲める。ラズベリーやチェリーを思わせる果実味があり、定番の焼き鳥からスイーツにも。キリッと冷やして飲みたい。
(1)ピノ・ノワール(2)12%(3)2200円(4)ヴァイアンドフェロウズ
キュヴェ・プランタン 2024
チェリーの果実味に、紅茶のようなニュアンス
レミ・デュフェイトル(フランス/ボージョレ)
軽快でミネラル豊かな自然派ガメイを追求する、新世代の造り手。ワイン名の“プランタン”は春を意味し、飲むと気分が明るくなる、チャーミングな味わい。バラの艶っぽい香りとチェリーやフランボワーズの果実味が広がり、後からダージリンの香りが追いかけてくる。その複雑味に中華料理がよく合う。
(1)ガメイ(2)12%(3)3740円(4)サンフォニー
プスタ・リーブル 2023
瑞々しい飲み心地と余韻の長いエレガンス
クラウス・プライジンガー(オーストリア/ブルゲンラント)
ハンガリーとの国境に位置するブルゲンラントは赤ワインの産地で、注目のナチュラルな造り手が集まる地。プライジンガー氏もそのひとり。このワインは瑞々しい飲み心地で、ベリー系の果実味に程よいスパイスのニュアンスが印象的。エレガントな余韻の長さも感じられる。
(1)ツヴァイゲルト、サン・ローラン、ピノ・ノワール(2)11.5%(3)3850円(4)CROSS WINES

エレ・トランブル 2022
甘やかなボリューム感、堂々たるメルロー
レ・ボワ・ペルデュ(フランス/コート・デュ・ローヌ)
ワイナリーの創業は2019年と若いが、堂々とした味わい。自然酵母による発酵、無濾過で瓶詰め。酸化防止剤無添加の限りなく自然な手法で造られたワインはぶどうの甘みと渋みのバランスが絶妙で、飲みごたえもしっかりある。メルローのプラムのような香りとスパイス感はカレーや角煮などの料理に合わせても。
(1)メルロー(2)14.5%(3)3762円(4)be a good friend
陽はまた昇る 2022
ボルドースタイル、グラマラスな日本の名品
ココ・ファーム・ワイナリー(日本/栃木県)
日本では珍しい品種タナを主体にした、ワイナリーの意欲作だ。タナは色が濃く、しっかりした渋み、酸味、濃厚な果実味が特徴だが、カベルネ・ソーヴィニヨンと合わせることで柔らかな口当たりと優しい味わいに。牛のステーキや鰻の蒲焼から、煮物やぶりの照り焼きまで、幅広い食に寄り添い、飲み飽きない。
(1)タナ、カベルネ・ソーヴィニヨン(2)11.5%(3)3300円
トスカーナ・ロッソ 2021
トスカーナ生まれ、ステーキのための一本!
オットマーニ(イタリア/トスカーナ)
厚切りステーキを呼ぶ一本であるピュアで芳醇な甘みが秀逸。赤身肉の濃厚な旨味を受け止めるボリューム感と余韻の長さがあり、程よい酸味で脂を切ってくれる。素朴さと優しさを感じる味わい。イタリア・トスカーナの醸造家4人の共同製作で、思いが詰まっている。
(1)サンジョヴェーゼ、カナイオーロ(2)13.5%(3)3300円(4)葡萄酒蔵ゆはら
※ワインのデータは、(1)品種 (2)アルコール度数(3)価格 (4)インポーター。
※掲載価格は酒販店希望小売価格(税込み)。ワインは在庫切れや、価格が変更になることがあります。
※本誌9月号80ページ掲載「全国、気鋭のワインショップ10軒」に「家飲みワインの新定番」の推薦を募った中から、編集部が試飲してセレクトしました。
取材・文/石出和香子 撮影/甲斐寛代












