新世代の造り手が生み出す本格焼酎に惚れ込み、新たな酒と料理の楽しみを提案する酒場が今、熱い。東京、愛知、大阪、鹿児島で出会った珠玉の一軒へ。

浪花の焼酎文化を牽引する気鋭の一軒

〆の定番「奄美風そうめん」950円。黒糖焼酎『龍宮』700円と。名物「里芋とホタテのポテトサラダ」950円は注文後に仕上げる。ほんのり温かい一品。

創業して6年。『食堂 燈(あかり)』は北新地の夜に焼酎の明かりを灯し続けている。西に灘、東に伏見と酒処に挟まれる大阪は、当地にも知名な日本酒蔵が所在することにもよるのか、焼酎熱が高い土地ではない。そんな中、店主の南本文正さんの推しは、あくまで焼酎。

「二十歳のときが本格焼酎ブームで、初めておいしいと思ったお酒が焼酎だったんです」
 
25歳で飲食の世界へ飛び込み、最初の修業先の店主の推しも焼酎だった。不思議な縁に導かれるように焼酎への想いは募るばかりで、独立してからは、毎年、スタッフ総出で九州に足を運び、蔵元を回る。二十歳で出会った焼酎への愛はどんどん深まっている。

献立には、麦、米、芋、黒糖、泡盛と25種を超える焼酎が並ぶ。前割り焼酎も常備。愛は料理にも伝播して、奄美風そうめんは奄美の富田酒造場を訪ねた際に教わったレシピがベースで、オリーブオイルと煮干しで仕上げる。夜鳴きそうめんとして人気が高い。

左から、甘い香りの麦焼酎『銀の水』、昔ながらの製法で造る芋焼酎『なかむら』、知る人ぞ知る『園の露』は、コクのある米焼酎。

南本さんは3年目を迎える大阪最大の焼酎イベント「焼酎ナニワンダフル」の発起人のひとりでもあり、北新地の一角から放つ燈が、浪花の焼酎文化を輝かせていく。

「伝助アナゴと焼茄子ネギ山椒ソース」は炭火で香ばしく焼き上げた三陸産の穴子と茄子を自家製ネギ山椒ソースでいただく。上には素揚げした大葉。

毎年、スタッフ全員で蔵元を巡ります

食堂 燈

左から阿部覚さん、店主の南本文正さん、岩𦚰元紀さん。

大阪市北区曽根崎新地1-6-27 ジェイブライド北新地3rdビル2階
電話:06・6341・3791
営業時間:18時〜24時(最終入店)、土曜〜23時(最終入店)
定休日:不定
交通:JR北新地駅より約3分

取材・文/花井直治郎 撮影/内藤貞保

サライ2025年7月号大特集は『夏に沁み入る本格「焼酎」』

 

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