江戸時代から続いてきた鮨、天ぷら、蕎麦、そして昭和の時代に発達した焼き鳥は東京の食文化。老舗から新店まで、足を運びたい店を紹介する。
目の前から好みの素材を選びワインと共に自由に楽しむ
天ぷらとワイン しの 西麻布
天ぷらは好きだが、コースで食べると少々量が多すぎるという方にうってつけの店がある。小ぶりの天ぷらを好みに合わせて単品で注文できるのが、西麻布にある『天ぷらとワイン しの』だ。
白い衣の品のいい天ぷらを2つ3ついただくと、あっさりとした食べ心地に、思いのほか多く食べてしまうかもしれない。それでも、食後の胃は軽やかである。
「白い衣は、米を餌にした鶏の卵を使っているからです。油は太白胡麻油をベースにしています。食感は軽く、服に香りが残るようなこともありません」と料理長の篠彰喜さん(48歳)。長年和食の調理に腕をふるい、なかでも揚げ物が得意で、今に至る。
野菜は20種類以上、魚介は10種類以上を揃えている。鮮度の良い魚は刺身にしてもらうこともでき、店には炭火があり、焼き物にもできる。野菜と魚介を合わせた小鉢や、好きな食材を組み合わせてかき揚げを作ってもらうなど、使い勝手のよい小料理屋ともいえる。
また、フランスの銘醸ワインを揃え、グラスで注文できる。落ち着いた瀟洒な空間で、天ぷらとワインを楽しみたい。
天ぷらとワイン しの
東京都港区西麻布4-2-15 水野ビル2階
電話:なし(予約はInstagramから※https://www.instagram.com/tempura.wine_shino/)
営業時間:18時~23時(最終入店、要予約)
定休日:日曜、不定休あり 10席。
※この記事は『サライ』本誌2023年9月号より転載しました。取材・文/浅妻千映子 撮影/福田栄美子