江戸時代から続いてきた鮨、天ぷら、蕎麦、そして昭和の時代に発達した焼き鳥は東京の食文化。老舗から新店まで、足を運びたい店を紹介する。

江戸前の流儀を貫く

銀座 鮨 み富 東銀座

仕込んだ魚は木箱に並べられる。下には氷が入っており、乾燥させず温度を保つ。この日のひと箱は、鰯や鱚のほか貝類と煮穴子。
煮穴子770円。柔らかく煮た穴子が酢飯と調和。
鯵770円。酢と塩でさっぱりと締めて引き締まった味わい。
鰈(かれい)の昆布締め990円。噛むほどに旨みが滲み出る。

銀座の中心部から少し離れたビルの2階に『銀座 鮨 み富』はある。カウンターの上に置かれた3つの木箱には、美しく並べられた鮨種が入っている。小鰭や鯵に代表される締めた光り物や、穴子や蛤などの煮物、貝類や海老など、毎日30種類は揃えるという。これらを見ながら、好きなものを単品で注文することができる。

「多くの店が“おまかせ”コースの注文対応になってしまいましたが、もともと鮨は好きなものを好きな量だけ食べられるのがいい。うちではそんな昔の姿を残し、昼から夜まで通し営業で自由に食べられます」と店主の三橋克典さん(46歳)が話す。

炊いた米でおむすびを作る際は手水を手につけて握るが、鮨の場合は酢を使った手酢をつける。三橋さんも手酢を使い、手際よく握りを仕上げる。口にすると、酸味がありながらまろやかさを感じる酢飯に、ひと手間かけた魚が寄り添う。白身の昆布締めはしっかりと味が染み、穴子の上にかかるツメは濃厚で甘く、丁寧な仕事を実感できる。清潔感はあるが気取りのない店内で、好きなように握りをつまんで過ごす。銀座でそんな午後のひと時は格別である。

三橋克典さん。昭和52年、千葉県生まれ。伝統ある銀座『新富寿し』で22年間学び、独立。会計には5つ玉の算盤(そろばん)を使う。

銀座 鮨 み富

東京都中央区銀座5-10-11 川島ビル2階 
電話:03・6263・9889
営業時間:11時30分~21時30分
定休日:火曜 7席。

東京メトロ銀座駅、都営地下鉄東銀座駅から徒歩約2分。銀座の中心部からも近く、便利。

※この記事は『サライ』本誌2023年9月号より転載しました。取材・文/浅妻千映子 撮影/福田栄美子

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