シャンパーニュには、他の種類にはない、とても厳しい決まりがあります。それがシャンパーニュを特別なものにさせています。エチケット(ボトルに貼ってあるラベル)に「CHAMPAGNE」と記載するためにどんな努力が必要なのか、書籍『最高のシャンパン 2022-2023 シャンパンの基本とシャンパーニュ地方のこだわりのメゾン』から、シャンパーニュが造られる工程と、美味しく飲むコツを学んでいきましょう。

シャンパーニュができるまで

長い長い栽培の時を経て、いよいよ収穫に。この収穫期にはシャンパーニュ地方の人口が3倍になると言われています(域外からの労働者が大量に手伝いに来るため)。そして、収穫後、いよいよ「醸造」作業に入ります。ここでは、醸造の工程を図解します。

1.圧搾(プレスラージュ)

圧搾とはブドウを搾って果汁(ムー)を取り出す作業ですが、さまざまな決まりがあります。

1.収穫後できるだけ早く圧搾すること。
2.除梗(茎や枝などを取り除くこと)せずブドウの房全体を圧搾すること。
3.圧搾はゆるやかに段階的に行うこと。
4.規定の搾汁量を厳守すること。
5.圧搾機の出口でキュヴェ(一番搾り)とタイユ(二番搾り)を分別し、規定の搾汁量を厳守すること。圧搾では4000kgを1単位=マールと呼びます。たとえば5マールといえばブドウ20トンのことです。

2.一次発酵(プルミエール・フェルマンタシオン)

シャンパーニュの一次発酵は、果汁(ムー)をワインに変えるアルコール発酵です。酵母が糖分を食べて、アルコールや炭酸ガスなどを生み出します。発酵は現在ではステンレスタンクで行うのが主流ですが、昔ながらの木樽で発酵させることもあります。キュヴェ・タイユ別、村や畑、ブドウ品種によって別々の樽やタンクに分けて発酵させます。

3.調合(アッサンブラージュ)

収穫の翌年2月頃に、一次発酵したワイン(原酒)をリザーブワイン(前年またはそれより前に収穫したワイン)と調合(アッサンブラージュ)します。各メゾンのシャンパーニュのスタイルを決める重要なプロセスです。

4.瓶詰めとリキュール添加(ティラージュ)

アッサンブラージュしたワインを瓶詰めし、酵母と蔗糖を加え、瓶内二次発酵、熟成のため、地下のカーヴに移動させる。

5.瓶内二次発酵

瓶の中で酵母が糖を分解して、アルコールと炭酸に変えます。この作業こそが、シャンパーニュ独特の香り(アロマ)や繊細な泡を生み出します。大体6〜8週間行います。その後、澱と共に熟成させることで、アミノ酸成分を生成し、コクや風味につながります。ノン・ヴィンテージで最低15か月、ヴィンテージで最低3年間、瓶内で熟成させます。

6.動瓶(ルミュアージュ)

5〜6週間にわたり毎日8分の1回転ずつ瓶を揺らしながら傾け、瓶内の澱を瓶の口に集めていきます。最近は、機械化しているところも多いです。

7.澱抜き(デゴルジュマン)

瓶口に集めた澱を外に出す作業。浅い槽にマイナス20°C の塩水をはり、瓶口をつけて澱を凍らせ、澱を氷のコルクのようにさせて、澱だけを抜きます。

8.門出のリキュール添加(ドザージュ)

澱抜きをした分、瓶内のシャンパーニュの量が減り、酵母が糖を分解し、なくなった糖分を補うため、「門出のリキュール」(原酒になったワインにサトウキビ糖などを加えたもの)を加え、味を調整する。この時にシャンパーニュの味(甘辛度)が決まる。

9.打栓(ブシャージュ)

三層構造の太いコルクを打ってミュズレ(口金)で蓋をします。瓶内は気圧が高いため通常のワインの2倍程度の大きさのコルクを使用します。このあと、じっくり熟成されたものが出荷されます。

抜栓の仕方

1 ボトルを少しだけ傾けて、シールを外します。この時、ペティナイフの刃の向きに気をつけてください。

2 コルク部分をしっかり押さえながら、ミュズレ(口金)を取り除きます。軽く上部を親指で押さえながら行いましょう。

3 コルク部分を親指でしっかり押さえたまま、反対の手でボトルのボディを持ちます。ボトルをゆっくり回し、瓶口からコルクをゆっくり抜きます。この際、コルクが飛ばないように注意しましょう。

注1:コルクの飛ぶ方向を人に向けないように注意してください。
注2:屋外や広いスペースでのパーティなどのお祝い事の場合では、コルクを勢いよく飛ばすのも演出としてよいですが、充分に周りの安全を確認してください。

美味しく飲むためのコツ

美味しく飲むための適温は?

シャンパーニュは温度が高くなると瓶内の炭酸が膨張し、開ける際に噴き出してしまう原因にもなるので飲む前の温度は気をつけましょう。保管する温度とは別に飲むための適切な温度=飲み頃はおおむね以下のようになります。

辛口と甘口で異なる適温
辛口=8℃
甘口=4℃

ボトル保管のルール

シャンパーニュは完全に熟成した段階で出荷されるので、ヴィエイスマン(澱抜きおよびドザージュ後の熟成)はすでに醸造者によって完成している状態です。しかしボトルを寝かせ、光や風を遮断した冷たい場所で保管することを条件に、数年間は保管が可能です。順守しなければならない条件は以下の通りです

・温度変化が少なく低温(10℃前後)
・高湿度
・光、振動のない場所で保管

シャンパーニュの注ぎ方

シャンパーニュの注ぎ方にもルールがあります。ゆっくりと、そして一定の早さで注ぐことで、コルレット(ガラスの内側にできる泡の輪)の形成にハーモニーが生まれます。2回に分けて注ぐことで、コルレットがより長く続きます。

抜栓したあとは?

抜栓したあと、そのまま室温にさらしておくとどんどん温度が上がってしまい、適温から離れていきます。水と氷を入れたワインクーラーで冷やしながら飲むことをお勧めします。

1.ボトルはネックの部分ではなく、ボディか底の部分を持ちます。

2.グラスの大きさやムースの発生に留意しながら、2回に分けてシャンパーニュを注ぎます。

3.アロマをじっくりと楽しめるよう、注ぐのは、多くてもグラスの3分の2ほどまでにとどめます。

※シャンパーニュが「開く」まで少し時間を置くことで、すべての特徴を楽しむことができるようになります。なお、一度開栓したシャンパーニュは、品質を損なうことなく保存することができません。

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