一般的にシニア女性は健康に対する意識が、男性や他の年代よりも高いとされています。そんなシニア女性は普段、どのようにお酒を楽しんでいるのでしょうか? また、加齢に伴い、お酒の楽しみ方はどのように変化するのでしょうか? 

(株)ハルメクホールディングス(https://marketing.halmek-holdings.co.jp/column/archive.php?c_no=274)が運営する「ハルメク 生きかた上手研究所」が、50〜85歳の女性578名を対象に「お酒に関する意識と実態調査」を実施しましたのでご紹介します。シニア女性の飲酒実態、お酒の楽しみ方が明らかになりました。

普段からお酒を飲む方は約半数

最初に飲酒頻度について質問しました。「ふだんからお酒を飲む」シニア女性は合計52.9%。うち、「週1回以上」37.7%、「ほぼ毎日」10.9%の順で多いという結果になりました。なお、お酒を「飲まない」は23.7%、「飲めない」は23.4%でした。

「シニア女性の飲酒頻度」

次に「10年前の飲酒量と比較して、変化しましたか」と、お聞きしたところ、最多は「もともと飲めない・飲まない」が41.2%です。「飲む量は変わらない」と答えた方が29.1%、「お酒は飲むが、飲む量は減った」19.0%、「10年前は飲酒していたが、現在は飲まなくなった」5.9%、「飲む量が増えた」4.8%、という結果でした。

次の質問では、「ふだん飲んでいるお酒は何ですか」と尋ねました。「ビール」60.5%、「赤ワイン」53.9%、「白ワイン」39.2%、「チューハイ・サワー」34.3%の順で多く、「日本酒」「発泡酒・第三のビール」「梅酒」「スパークリングワイン(シャンパン含む)」「焼酎」「ハイボール/果実酒(梅以外)」と続き、平均で3.85種のお酒を飲んでいるという結果になりました。

また、「お酒を飲む理由は何ですか」と質問したところ、1位「料理がおいしく感じられる」51.6%、2位「リラックスできるから」47.1%、3位「ゆったりした時間を過ごせるから」44.1%、と続きました。

その他は「リフレッシュ・気分転換できるから」「楽しい気分になれるから」「ストレスを解消できるから」「一緒に飲む人とゆっくり話せるから」などが挙げられました。

続いて、「料理とお酒の組み合わせ」について質問したところ、多く挙げられたのは「ビールには餃子、揚げ物、焼き肉」「ワインに洋食、日本酒に和食」「赤ワインに肉、白ワインに魚・パスタ」などです。「スパークリングワインに豚肉料理」「ビールは万能選手」といった声もありました。

その他の意見はこちらです。

・パエリア、アクアパッツァなどの魚料理に合わせて白ワインやロゼワインを選ぶことはあるものの、ほとんどの料理がビールと相性が良いと思っています。(50代前半)
・食材・調味料に合わせて必ずお酒を選ぶ。オイスターソースや和風だしを使用した料理、刺身の場合には、日本酒、白ワイン。魚介系の食材・だし・調味料を使用しない料理の場合には、赤ワイン。(60代前半)
・鍋料理の時は熱燗、焼き肉の時はビール、ふだんは自家製の果実酒。(70代前半)

お酒を一緒に飲む相手は

次の質問では「お酒を一緒に飲む相手」を、平日と土日・祝日に分けて尋ねました。

平日、土日・祝日ともに最も多かったのは「配偶者」です(平日:51.3%、土日・祝日:59.5%)。「ひとりで飲む」人の割合は、平日で36.9%、土日・祝日で30.7 %です。なお、「子」と飲む人の割合は、平日で8.5%、土日・祝日で16.0%という結果でした。

※同席する相手がお酒を飲む、飲まないは関係なく、自分がお酒を飲む時に同席する相手を尋ねています。

「お酒を飲む」と答えた人に「夕食時に夫と話す話題はどんな内容ですか」と質問したところ、「ニュースや世間の出来事」「テレビ番組」「体・健康」「子ども」「余暇の計画」「過去の出来事・思い出話」の順で多い結果となりました。

最後に「お酒にまつわる楽しい思い出・エピソード」を質問したところ、「バブル時は、頻繁に鰻の白焼きと高価な日本酒をご馳走になった」「チェコのワインレストランで、音楽もあり、地元の人や旅行者で盛り上がった」など、若い頃や旅先での思い出が挙げられました。また、「夫婦で毎晩料理に合わせてお酒を選んで楽しんでいる」「お酒を飲むと子どもと話しやすくなる」など、家族とのコミュニケーションに関するエピソードも目立ちます。

シニア女性のお酒の楽しみ方は、豊かに進化

今回の結果を踏まえ、専門家に見解を伺いました。

梅津 順江(うめづ ゆきえ):ハルメク 生きかた上手研究所 所長 。2016年3月から現職。主に年間約900人のシニアを対象にインタビューや取材、ワークショップを実施。

シニア女性は「歳だから休肝日を設けないと…… 」「健康のために糖質は控えないと……」など、お酒への態度はシュリンク傾向なのではないか、という仮説を持っていましたが、予想が大きく外れました。実際は、飲酒量は10年前比で「変わらない」人が約3割。「毎日食事にあわせてお酒を飲む」「ビールを中心に、平均3.85種のお酒を幅広く愉しんでいる」という結果でした。

最も驚いたのが「ビールと組み合わせる食事」です。魚や野菜料理ではなく、餃子・揚げ物・焼き肉が多かったのです。若者と何も変わりません。さらに、シニア女性のアルコール飲酒量は若い頃とほぼ変わらず、料理とお酒のマリアージュをたしなむなど、楽しみ方が豊かに進化していたのです。

お酒の場では“今”だけでなく、「昔の経験や思い出(臨場感あふれる失敗談含め)」から「余暇の計画」「将来・終活・老後資金」まで、幅広い話題が酒の肴となっていました。お酒の存在が、飲み手を過去〜現在〜未来へと誘い、愉しい享楽的な時間を演出している様子が窺えます。

シニアだからといって「お酒は、健康を意識して少量を」という先入観は取り払わなければいけません。

***

シニア世代の女性にとって飲酒とは、「食事の彩り」「リラックス」「コミュニケーション」が目的で、「家族たちと会話を弾ませながら、料理と一緒にゆったり味わっている」という印象を受けました。飲む種類に関わらず、心身の健康を保つには欠かせない時間であるようです。

【調査概要】
調査の方法:WEBアンケート
調査の対象:50~85歳の全国の女性
有効回答数:578名 
調査実施日:2022年3月11日~3月15日
調査主体 :(株)ハルメクホールディングス ハルメク 生きかた上手研究所

 

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