もはや「ご飯のおかず」という考え方だけで食してはいけない。新たな可能性を探り続け、歴史に名を残すかもしれない店とは。
様々な部位をひと切れずつ堪能。コースで愉しむ態様の先駆け
銀座かつかみ(東京)
天ぷら店のような対面式のカウンター席で、コース仕立てのとんかつを愉しめる店がある。平成30年に開店した『銀座かつかみ』だ。
「天ぷら同様、とんかつも揚げたてが命です。美味しい瞬間を逃さぬよう、昼はふた切れ、夜はひと切れ分ずつ揚げてお出ししています」
こう語るのは料理長の小林久展さん(46歳)。ヒレ、赤身、ロースと、様々な部位を少量ずつ味わえるため、最後まで飽きないのも嬉しい。揚げ方にも秘訣がある。
「重くならないよう、薄衣にしてサクサクの食感に仕上げます。また肉の旨味が最大限に生きるよう、肉の筋切りはしません。溢れる肉汁を堪能していただけます」
コースの組み立て方にも工夫がある。夜は前菜から始まり、とんかつの合間には小ぶりのメンチカツバーガーが登場。締めのご飯は茶漬けやかつカレーなど6種もの選択肢があり、最後まで心が躍る。
ワイン、日本酒にウイスキーなど酒も豊富。ソムリエが選んでくれる酒とともに味わうのも一興だ。
東京都中央区銀座5-6-10 銀座ミヤコビル5階
電話:03・6263・8720
営業時間:11時30分~14時(最終注文)、18時~22時(閉店)
定休日:無し
交通:地下鉄銀座線ほか銀座駅A1出口より徒歩約3分
※この記事は『サライ』2022年5月号より転載しました。