もはや「ご飯のおかず」という考え方だけで食してはいけない。新たな可能性を探り続け、歴史に名を残すかもしれない店とは。

洋食の名店仕込みの調理法でワインがすすむサクサクの衣

洋食・ワインフリッツ(東京)

手前から時計回りに「ロースとんかつ(200g)」2000円、柔らかな脂の甘みがある「おつまみローストビーフ」1200円、滑らかで濃厚な「鶏レバーパテ」850円。果実味豊かな赤ワインと合わせて。グラスワイン900円。

東京・赤坂にあった洋食の名店『フリッツ』が、場所を移して再オープンした時は、往年のファンを喜ばせた。この看板を受け継いだのが、かつて同店で働いていた現オーナーシェフの田苗見賢太さん(41歳)だ。

田苗見さんは調理師学校卒業後、15年間『旬香亭』グループに在籍し和食や洋食、フレンチの基本を学んだ。3店舗目に配属されたのが『フリッツ』だった。「そこで油やパン粉の奥深さに触れ、揚げ物の魅力に開眼しました」

修業時代に見た、幅広い世代の客が楽しそうにしている様子が自身の店作りの原点になった。とんかつを中心に、様々な種類の洋食を今も提供し続け、子ども連れから年配まで、根強いファンがいる。

ゴマ油のふくよかな香りの衣

脂の部分は強めに塩、黒コショウをふる。特に脂の先端はしっかり塩をふる。肉の部分には塩と白コショウでメリハリをつけている。
水分たっぷりの生パン粉をふんだんに使用。「パン粉には霧吹きで保水もしています。そうしないと固い食感になってしまいます」
ロースの先端は脂が多いので長めに火入れする。肉の部分は火が入り過ぎないように立てている。繊細な火入れの様子がわかる。

豚肉は茨城県の「美明豚」を使っている。「あまり脂肪分が多くなくて味のバランスがいいのです」と田苗見さん。生パン粉は粗めの糖度が多いタイプで、こんがりときつね色に揚がる。油はゴマ油とコーン油のブレンドを使い、軽やかな仕上がりを心掛けているという。油の温度は160℃を常に保ち、200g のロースなら7分間揚げ、さらに余熱で5分ほど火入れする。最近になって、以前よりも休ませる時間を短くしたという。その理由は、揚げたての衣のサクサクの感じも大切にしたいから。こうして周囲の環境の変化に合わせ、調理法の微調整を繰り返しているという。

ゴマ油のふくよかな香りのサクサクした衣をまとったロースは、中はしっとりして、噛むほどに脂のほのかな甘みを感じる。一方、ヒレは肉の旨味が凝縮した味わいが楽しめる。これらのとんかつをウスターソースで味わうなら果実味豊かな赤ワインを、濃いめのソースならスパイシーなやや重めの赤ワインと味わうのがおすすめ。

ランチは定食(2200円〜)が中心だが、ディナーはアラカルト(650円〜)を提供。揚げ物は1個から注文でき、数種類を盛り合わせてシェアする客が多いという。

「「ひとくちヒレカツ」1個650円。最初は何もつけず、次は塩で肉の旨味を楽しみたい。

東京都文京区小石川2-25-16 LILIO小石川2階
電話:03・3830・0235
営業時間:11時30分~14時30分(14時最終注文)、18時~21時(20時最終注文)
定休日:月曜
交通:都営地下鉄三田線、大江戸線春日駅より徒歩約4分

※この記事は『サライ』2022年5月号より転載しました。

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