取材・文/池田充枝

重要文化財《藤原興風像(佐竹本三十六歌仙切)》〔13世紀(鎌倉時代) メナード美術館初公開コレクション〕前期展示

人の顔や姿には豊かな個性があふれています。また作家の個性によって人の顔や姿もさまざまに表現されます。美術作品のなかに魅力的に表されたさまざまな「ひと」に焦点をあてて観るのも美術鑑賞の楽しみのひとつです。

人のさまざまな表情を集めた展覧会ひと 人・顔・姿》が、愛知県小牧市メナード美術館で開かれています(~2018年6月24日まで)。メナード美術館では2017年7月から一年にわたり、開館30周年を記念した展覧会を開催していますが、その最後を飾るのが本展です。本展では3つのテーマにわけて、所蔵する絵画や彫刻の作品73点を紹介します。

本展の見どころを、メナード美術館の広報担当、尾関友美さんにうかがいました。

「今回、当館のコレクションより初公開する《藤原興風像(佐竹本三十六歌仙切)》は、もとは上下二巻から成る巻物で、秋田の藩主佐竹家に伝来したことから「佐竹本」と呼ばれています。数ある「三十六歌仙絵」のなかでも「佐竹本」は現存する最古のものです。

この初公開にあたり、約1年間にわたる修復を行いました。本展では、今回行った修復処理についてもご紹介します。《藤原興風像》は4月22日までの前期展示で、テーマ「姿-三十六歌仙」として尾形光琳《三十六歌仙図》などとともに出品します。

本展ではほかにも、ピエール・ボナール《青いジレを着たブロンドの女》や、有元利夫《近ずいた朝》《二本の木の間》、宮崎進《顔》《習作》、舟越桂の版画作品6点、鈴木五郎《石人》と、全12点の初公開コレクションをご覧いただけます。

有元利夫《近ずいた朝》〔1979年 メナード美術館初公開コレクション〕(C)Yoko Arimoto 全期間展示

ピエール・ボナール《青いジレを着たブロンドの女》〔1922年 メナード美術館蔵〕全期間展示

身近な人々の顔や画家の自画像、歴史や神話のなかの人物、人間の造形など、さまざまに表現される「ひと」をどうぞお楽しみください」

初公開作品が一挙に並ぶ、見ごたえある展覧会です。お見逃しなきよう、ぜひ会場に足をお運びください。

【開催概要】
開館30周年記念 所蔵企画展 《ひと 人・顔・姿》
会期:2018年3月21日(水・祝)~6月24日(日)一部展示替えあり
   前期:3月21日~4月22日 後期:4月24日~6月24日
会場:メナード美術館
住所:愛知県小牧市小牧5-250
電話番号:0568・75・5787
開館時間:10時から17時まで(入館は16時30分まで)
休館日:月曜(ただし4月30日は開館)、5月1日(火)
http://museum.menard.co.jp/

取材・文/池田充枝

 

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