もんぺからサステナブルな近未来まで、戦後の日本ファッション史をたどる大規模展!!
わが国では、明治になって上流階級が洋装を取り入れたことを契機に、第二次世界大戦後には洋装が一般的になり、独自の装いの文化を展開してきました。
1970年代以降、日本人ファッションデザイナーは世界で高い評価を得ていますが、彼らが誕生するまでの日本ファッションの黎明期から最先端の動向まで、衣服だけではなく生活文化そのものを紐解く展覧会が開かれています。(9月6日まで)
本展の見どころを、担当した国立新美術館の本橋弥生さんにうかがいました。
「本展のみどころは、何といっても一般に人々が洋装するようになった戦後から現代までの日本のファッションの歴史を一望できるところにあります。
これまで、ある特定の時代やデザイナーをテーマにした展覧会はありましたが、820点というかつてない物量で、ここまで包括的に紹介した展覧会はありませんでした。特に70年代以前のことは、すでに忘却の彼方にあります。しかも、デザイナーの作品だけでなく、受け手(着る人)やメディアも含めて、各時代の特徴を浮き上がらせたのが特徴だと思います。
現在、ファッションの情報を得るには、インターネット上にある情報をピンポイントで探すという方法が主流だと思いますが、それでは、その装いがどのような経緯で、今ここにあるのか、わかりません。なぜ私たちは日常的に洋装しているのかという原点から、各時代のエネルギーに満ちた装いをもう一度振り返り、これから私たちは何を着て、どのようにファッションを楽しむのかということを考えるきっかけとなれば幸いです」
今のファッションがどのような背景から生み出されたか、会場でご検証ください。
【開催要項】
ファッション イン ジャパン 1945-2020 ―流行と社会
会期:2021年6月9日(水)~9月6日(月)
会場:国立新美術館 企画展示室1E
住所:東京都港区六本木7-22-2
電話:03・5777・8600(ハローダイヤル)
開館時間:10時から18時まで
※毎週金・土曜日は20時まで(入場は閉館の30分前まで)
※変更の可能性あり
休館日:火曜日
料金:展覧会ホームページ参照
アクセス:展覧会ホームページ参照
展覧会ホームページ:https://fij2020.jp
※本展は事前予約制(日時指定券)を導入
取材・文/池田充枝