アメリカ製のデニムが日本に本格的にやってきたのは1970年代。雑誌でデニムが紹介されたり、街にデニムを扱う専門店が登場したりと、当時のことが、青春時代の記憶として残っているサライ世代も多いことだろう。
『サライ』4月号(3月10日発売)の誌面では、「永遠のデニム」というタイトルで、デニムの特別企画を掲載。冒頭では、「日本人とデニムの歴史」を年表と各時代の文化を象徴する写真を織り込みながら解説。さらに、「我らデニム世代」という項目のインタビュー・ページには、作家の逢坂剛さんとミュージシャンのマイク眞木さんが登場。子供の頃にデニムを初めて穿いた記憶が鮮明に残っているというお二人は、ともに喜寿。今なおデニムを穿き続けているという。
そんなふうに、デニムへの思い入れの深いサライ世代だが、年齢による体型や肌感覚の変化により、最近はデニムから遠ざかっている、という人も少なからずいるだろう。それでもやっぱりデニムを穿きたい。これからもずっと着こなし続けていきたい。そんなサライ世代に、おすすめのデニムを紹介する。
世界に認められる“岡山デニム”の老舗ブランド『ビッグジョン』の進化した快適ストレッチ・デニム
岡山県児島で1965年にジーンズの生産を始めた『ビッグジョン』は、まさしく国産デニムの先駆けといえるブランド。以来、最良の日本製デニムをつくろうという職人たちの強い思いが、連綿と受け継がれている。
『ビッグジョン』の現在のラインナップの中から紹介するのは、「ビッグジョン コンプリートフリー」シリーズのデニム。2015年の発売からの販売累計本数が、間もなく10万本に達しようとしているベストセラー。多くの人に認められているのは、オリジナルのデニム地が持つ他に類を見ない優れた特性、ストレッチ性にある。
「しっかり伸びてしっかり戻る」というのが特徴で、お気に入りのシルエットはそのままに、とにかく楽な履き心地が得られる。ストレッチ・ジーンズの弱点でもあった、膝の部分の生地のたるみも起こさない。
また、ウエスト部分もある程度伸縮する仕様のため、食後や屈んだときなどの腹部の窮屈感が緩和される。寒暖に対処する機能性のアンダーウェアを着けるときも、デニムのサイズを上げずに済む。
‥‥と、多くの利点をもつデニム。日常はもちろん、飛行機や列車で長時間移動をする旅など、様々な場面でその快適さを実感することができるだろう。
ビッグジョン コンプリートフリー
BJM 105F スリム テーパード 1万6500円(税込)
https://bigjohn.co.jp/collections/complete-free-ハイパワーストレッチ/products/bjm105f-252
問い合せ先/ビッグジョン 電話 086・477・3800
肌に心地よく馴染む、上質なリネン混のオリジナル素材を使ったストレスフリーの『パパス』のデニム
上質な素材をつくる。オリジナルの色を出す。丁寧に裁断し、手間をかけて縫製する。そんな工程のひとつひとつを日本の熟練の職人が担当するという『パパス』が誕生してから、今年で35年。サライ世代からの信頼も厚い、メイド・イン・ニッポンに誇りをもつブランドだ。
毎シーズン登場するデニムを楽しみにしているパパス・ファンは多いが、ここでは、定番素材「モンサンミッシェルデニム」を使ったイージーパンツ仕様のデニムを紹介する。
「モンサンミッシェルデニム」は、穿き心地のいい春夏向けのデニムを求めて生まれたパパスのオリジナル素材。フランスのモンサンミッシェルを産地とする、質の高いリネンと高級コットンを特殊な加工で紡績することで、柔らかな風合いと通気性を備えた肌触りの心地よい素材に。洗うほどに柔らかな色合いに変化していく様子を楽しむファンも多いという。
このモンサンミッシェルデニムを使ったラインナップの中でも、とくにストレスフリーな穿き心地を実現するのが、ウエストがゴム使いになったイージーパンツ。ゆったりとラフなシルエットながら、品の良さも備えているのは、上質な素材と『パパス』ならではの優れた縫製の技によるもの。インディゴの他、豊富なカラーバリエーションも揃えている。
パパス モンサンミッシェル イージーパンツ 3万2780円(税込)
https://papas.jpn.com/html/products/detail.php?product_id=385
問い合せ/パパス 電話03・5469・7860(土日祝休み)
青春時代に出会ったアメリカン・ブランド『L.L.Bean』の、肌に快適な機能をもつデニムを穿きこなす。
デニム発祥のリーバイスをはじめ、アメリカのブランドに憧れた。サライ世代には、そんな青春時代を思い起こす人も多いことだろう。『L.L.Bean』は、1980年代のアウトドア・ブームとともに日本でも人気となったアメリカのブランドのひとつ。『サライ』4月号の誌面に登場したマイク眞木さんが所有する、たくさんの愛用デニムの中にも、膝が擦り切れるほど穿き込んだ『L.L.Bean』のデニムがあるという。
本国のアメリカ同様、日本でもオンラインでの販売が充実している『L.L.Bean』。その品揃えには、定番モデルをはじめ、幅広い素材とシルエットのデニムがアップされている。その中から、気温が上がるこれからの季節にこそ活躍するデニム「メンズ ビーンフレックス・ジーンズ」を紹介する。
股上はやや浅めで、腰から腿にかけてがすっきりと見えるストレート・シルエットは、ラフなスタイルはもちろん、ジャケットとの組み合わせなど“きちんと感”のある着こなしにも対応できる、サライ世代にふさわしいデザイン。加えて、素材に快適感をもたらす機能も備えられている。
それが、コットンと混紡したポリエステル製クールマックス素材。湿気を外側にスムーズに逃し、肌にさらりとした涼感をもたらしてくれる効果がある。さらに、復元力のある伸縮素材も混紡してあるため、身体の動きに無理なくフィットする。
デニム・スタイルをもっと楽しもう! あらためて、そんな気持ちにさせてくれる1着だ。
L.L.Bean メンズ ビーン フレックス・ジーンズ 9790円(税込)
https://www.llbean.co.jp/mens/pants/jeans/g/P122999.html?cgid=10104020
問い合せ先/L.L.Bean カスタマーサービスセンター 0422-79-9131
体型の悩みも気にせず颯爽と穿きこなせるデニムが手に入れられる、麻布テーラーがプロデュースする『 R&BLUES』のパターンオーダー。
自分の体型に合うデニムが見つからない。ジャケット・スタイルに最適な大人のデニムが欲しい。そんな悩みや願いに応えてくれるのが、『 R&BLUES(麻布テーラー)』のオーダージーンズ。これまで蓄積してきたオーダー・スーツの仕立てのノウハウを駆使して、いち早くデニムのパターン・オーダーを手掛けるようになったのは2008年。以来、日本を代表するデニムの産地である岡山の縫製工場で、職人の手によって丁寧に仕立てられるデニムは高い信頼を得ていて、一本目に満足したから生地を変えて二本目を注文、なんていうリピーターも少なくない。
オーダーの流れは、まず生地選びから始まる。用意されている生地は、14オンスのレギュラー・デニム地の他に、薄手の10オンスや12オンス、重厚な15オンスなど様々な種類が。その他にも、カラー・デニムや、シルク混、ストレッチ性を備えるものなどがあり、全36種類もの中から選ぶことができる。
次は採寸とともにシルエットを決め、この段階で、股上の深さやワタリ幅(太さ)など細部の調整も希望。例えば、太腿が太いスポーツマン体型でデニムは諦めていたという人も、快適かつ美しく穿きこなせるデニムをオーダーすることできる。
続いて、オーダーメイドの醍醐味ともいえる、デザインとディテール(細部)の選択。ボタンやリベット、ステッチ糸の色などを選べる他、ヒップポケットの飾りステッチの有無など、様々なオプションも用意されている。
そして、オーダーから約4週間後。細部にまでこだわった、自分だけのデニムを手にすることができる。
R&BLUES オーダージーンズ 3万9600円(税込)〜
https://www.azabutailor.com/order/jeans/
問い合せ先/Y&Mプレスルーム 電話03・3401・5788
文/堀けいこ