意外なことに、日本の陶土で土鍋を作れるほどの耐火度を持つ粗土が採れるのは、三重県北西部にある伊賀地域だけだという。
その伊賀土で作られたのが、このビストロ蒸し鍋である。
伊賀の粗土は、400万年前に生息していた生物や植物の化石が多く含まれる堆積層から採れるので、高温で焼成すると化石の部分が燃え尽きて多孔質となる。その気孔が蓄熱性を高め、火から下ろした後もトロ火で煮込むのと同じ温度帯を保つのだ。
省エネなばかりか、食卓にそのまま出して取り分けるにも冷めにくくて最適だ。
多孔質の鍋は遠赤外線効果も高いので、しっかり中まで火を通したいローストチキンや、肉を軟らかく煮込みたいシチューなどにも向いている。
そして、この鍋の最も特徴的なところは、鍋本体は空焚きできること。焼いたり、炒めたり、オーブンに入れてロースト肉も作れる。
人気は蒸し料理だ。陶製すのこが付いていて、摂りにくい野菜も蒸せばたくさん食べられる。勢いのある蒸気で蒸し上げ、余分な脂も落とす。
作り手は「一器多様」と銘打つ。土鍋=鍋料理という考えを覆す品である。
商品名/ビストロ蒸し鍋
メーカー名/長谷園
価 格(消費税8%込み)/10,800円