三重県北西部の伊賀の地で盛んな伊賀焼。その起源は約1300年前の奈良時代といわれ、茶の湯が盛んになった桃山時代には、窯元・長谷園のある伊賀の丸柱でも水差しや花入れなどの茶陶が焼かれるようになった。
このような伊賀焼の発展の裏には、質の良い陶土と窯にくべる薪に適した赤松の森林の存在があったとされる。
「陶土は400万年前に生息していた生き物の有機物を多く含む“古琵琶湖層”の土です。焼き上げると、無数の気孔ができ、凸凹とした手触りになります」と語るのは長谷園代表取締役の長谷康弘氏。もちろん本品にも伊賀ならではの粗土が持つ特性が活きる。
「火にかけたとき、土鍋の凸凹とした表面が火をしっかりと捉えます。そして、土鍋がそれを蓄熱して、ゆっくりと食材に火を通すため、食材の旨みをじっくりと煮出すことができるのです」と、長谷氏は説く。
小振りなサイズは一人前の夕食や軽食を作るのに最適。使い勝手のよい形にもこだわり、汁ものなどをこぼさず運べるように持ち手は両側に付いている。見た目も洒落ていて、調理後に器として食卓に出しても申し分ない。
【今日の逸品】
伊賀焼の片手ポット
長谷園
6,480円(消費税8%込み)