東京・台東区の東の端に、小野勝久さんが池之端銀革店を出したのは12年前だ。もともと革製品の会社に勤めていた小野さんが、独自の製品を作りたくなって始めた工房兼店舗である。
「うちは厚革専門で、このベルトは4.5mmもの厚さがあります。使っているのはベンズと呼ばれる牛の尻の部分で、1頭からほんの少ししか取れません。ベルトの長さにわたって傷がないものとなると、本当に少ない。100枚のうち3、4枚でしょうか」(小野さん)
素材となっている革は、タンニンなめしのヌメ革で定評のある「栃木レザー」である。希少な革を優れた職人がなめしたとなると、それを加工する側の職人魂も燃え盛るというもの。
「革を磨くのも、面取りも、鉋を使って手作業でやっています。面取り機という機械はあるのですが、使う気にはならないんです。じつは、革用の鉋を作れる職人さんが減りましてね。この間、新たに10個注文しました。1個5年ぐらいもちますので、今後50年は作り続けられますね(笑)」
そんな職人の手による厚革ベンズベルトは、さすがに仕上げが行き届いている。まさに一生ものの逸品である。
商品名/極厚レザーベルト
メーカー名/池之端銀革店
価 格(消費税8%込み)/10,800円