革ベルトを愛する者にとって、経年変化を楽しむのは醍醐味のひとつ。使うほどに味わい深くなり、男性の品格を高めてくれるおしゃれアイテムだ。
手がけるのは、東京・台東区にある池之端銀革店。もともとベルトメーカーに勤めていた小野勝久氏が独立し、革製品のノウハウを生かして立ち上げた工房兼ショップだ。本品は4.5mmもの厚さがあり、ほかではあまり見られない重厚感と堅牢さが際立つ。
素材はベンズと呼ばれる牛の背中から腰の部分で、1頭からわずかしか取れない。しかもベルトの長さにわたって傷がないものを厳選しているため、原皮100枚のうち使えるのはわずか3、4枚しかないほど希少性が高いという。それを日本屈指のタンナー、栃木レザーが植物タンニンを使い伝統的製法で長時間かけてなめしている。
その魅力を生かすため、革を磨くのも面取りも、革用の鉋を使って職人が手作業で仕上げている。ベルトの両端のコバも、職人が磨き上げた丁寧さを感じる。各工程すべてに手間を惜しまず作り上げた逸品が、心地よい柔らかさと深みある色へと変化していく様に愛着がわくことだろう。
【今日の逸品】
極厚レザーベルト
池之端銀革店
11,000円(消費税込み)