東京・台東区、不忍池の程近くにある池之端銀革店は、もともと革製品のメーカーに勤めていた小野勝久氏が独自の製品を作りたくなって14年前に立ち上げた工房兼レザーショップだ。創業以来、厚革専門を貫いてきた。
同店謹製のこの牛革のベルトは、じつに4.5mmもの厚さがある。ほかではあまり見られない迫力の厚みだ。
使っているのはベンズと呼ばれる牛の尻の部分で、1頭からほんの少ししか取れない。ベルトの長さにわたって傷がないものとなると、100枚のうち3、4枚取れるかどうかという。
そんな希少な革を、タンニンなめしのヌメ革で定評のある「栃木レザー」がなめした。貴重な革を優れた職人がなめしたとなれば、それを加工する側の職人魂も燃えるというもの。
革を磨くのも、面取りも、機械は使わずに、革用の鉋を使って手作業でやる。そんな職人の手による極厚革のベンズベルトは、バックルやコバの磨きまで含めて流石と言うべき行き届いた仕上がり。腰にきゅっと巻けば、気持ちまで引き締まる。
使うほどになじみ味わい深くなる革ベルト。まさに一生ものの男の逸品だ。
【今日の逸品】
極厚レザーベルト
池之端銀革店
10,800円(消費税8%込み)