写真・文/矢崎海里
長かった梅雨から一点、猛暑に見舞われた8月も終わり、9月になりました。
まだまだ暑さが続いていますね。
この夏も麺類や冷たい物ばかり食べていた、夏バテで全然食欲がない、なんて方も多いかと思います。
今回は夏バテを秋まで引きずらないために、体力回復に必要なタンパク質や、エネルギー代謝に関わるビタミンB1を補える、豚肉を使ったレシピをご紹介します。
食べ合わせのいい食材も使っていますので、参考にしてみて下さい。
夏バテ時に効率よく取りたい栄養
夏バテの際、積極的に取りたい栄養はタンパク質とビタミンです。
タンパク質は、体全体の機能に関わっている栄養素で、不足すると体力や免疫力の低下を起こします。
タンパク質が体内で利用される際には、ビタミンB6が働いているため、魚や肉などの動物性食品の摂取がおすすめです。
また、エネルギー代謝に関わるビタミンB群の中でも、特にビタミンB1が重要となっています。
ビタミンB1は糖質のエネルギー代謝に関わるビタミンで、不足すると疲れやすいなどの症状が現れることが特徴です。
魚介・肉・豆類などに含まれているビタミンB1ですが、なかでも豚肉に豊富に含まれています。
タンパク質も同時に摂れるため、夏バテ時、効率よく栄養を摂る食材としてぴったりです。
ここからは、豚肉を使ったレシピをご紹介していきます。
玉葱だれの豚しゃぶサラダ
【材料】(1人分)
豚ロース肉 80g
レタス 2枚
紫玉葱 1/4個
玉葱 1/4個
★オリーブオイル 小さじ1
★酢 小さじ1
★醤油 小さじ1
★胡椒 少々
【作り方】
1.レタスは食べやすい大きさに手でちぎる。
2.紫玉葱は薄切りにする。辛味が気になる場合、さっと水にさらし、レタスと混ぜる。
3.玉葱はすりおろし、★の材料とよく混ぜてドレッシングを作る。
4.沸騰したお湯に豚肉を入れ、色が変わるまで茹でる。茹であげたら氷水でさっとまわりのあくを取り、ざるに上げ、水にさらさずそのまま冷ます。
5.うつわにレタス・紫玉葱を盛り、豚しゃぶをのせ、3のドレッシングをかけたら完成。
食欲のないときにサラダ感覚で食べられる豚しゃぶには、ビタミンB1含有量が多いロース肉を使用しました。
豚肉は茹でた後、氷水であくを取るのみにし、そのまま冷ましましょう。
長時間水にさらすことで水っぽくなってしまいます。
サラダの野菜、ドレッシングには玉葱を使用しました。
玉葱に含まれるイオウ化合物「アリシン」には、ビタミンB1の吸収を高める効果があります。
食塩相当量:1.0g
豚バラ野菜串
【材料】(4種10本)
豚バラ肉 100g
胡椒 少々
ミニトマト 2個
レタス 2枚
長葱 10cm
オクラ 3本
竹串 10本
【作り方】
1.豚バラ肉に胡椒を振る。
2.トマトはへたを取り、豚バラ肉を巻き付ける。
3.レタスは5cm幅に切り、くるくると巻き、豚バラ肉を巻き付ける。
4.長葱は火が通りやすいよう、5cmの千切りにし、豚バラ肉を巻き付ける。
5.オクラはヘタ・がくを取り、手で転がしながらよく洗う。半分に切り、豚バラ肉を巻き付ける。
6.オーブントースターまたはフライパンで5分ほど焼き、豚バラに火が通ったら完成。お好みで七味塩・ハーブ塩・抹茶塩などを付けて召し上がって下さい。
ビールが進む、おうち串焼きのレシピです。
豚バラ肉は薄く、すぐに火が通るのでオーブントースターでも調理ができます。
豚肉のビタミンB1・タンパク質だけではなく、野菜の栄養も摂ることができ、食欲がなくてもつまみやすいのがおすすめポイントです。
また、寝苦しい、ムシムシとした猛暑のストレスにより消耗されやすいビタミンCも、野菜で補うことができます。
他に、大葉や生姜、長芋などの具材もおすすめです。
食塩相当量:0.1g(変わり塩の塩分を除く)
* * *
まだまだ残暑が厳しいこの時期。
食欲の秋に向けて、栄養を補いながら少しずつ食欲を回復していきましょう。
文/矢崎海里(やざき・かいり)
管理栄養士やフードスペシャリストなどの資格を生かし、企業で働く傍ら、Webメディアでも活動。おいしく食べて健康になれるごはんを研究中。